REPLAY
  • リプレイ『月下にて』

    ――冴え冴えとした月明かり、そこに照らしだされるものは。

    0. プリセッション
    1. プロローグ
    2. 戦闘フェイズ
    3. 調査フェイズ
    4. クライマックス・前
    5. クライマックス・後
    6. エピローグ

  • 0. プリセッション

    GM:こんばんはー、お集まりいただきありがとうございまーす!
    プレイヤーA:こんばんはー
    プレイヤーB:GMのおでましですね!
    プレイヤーC:待ってましたー!
    GM:ではでは今回の進行を務めさせてもらいます。よろしく。
    全員:よろしくー!
    GM:まずは軽く説明を。このゲームではAR、VR技術が発達した近未来の世界を舞台に、謎のアプリ「Siki」から召喚される使い魔を操る「ウィザード」として様々な事件を解決することになります。
    プレイヤーC:様々な事件?
    GM:召喚される使い魔のことを「ファミリア」と呼ぶのだけど、これはウィザードにしか見えないし、倒せない。だからファミリアが絡む事件全般に対応することになるんだ。
    プレイヤーA:一般人には知られていないってことですね。
    GM:そう、ファミリアは大きな危険を伴うし、権力者たちはその存在を秘匿しようとしている……。
    プレイヤーB:SFなのかファンタジーなのか。
    GM:どちらも楽しめると思うよ。シナリオ次第でどちらの要素が強めになるかは変わるしね。
    プレイヤーA:今回はどちらですかね?
    GM:公安の秘密部隊として事件の犯人を捜す、つまりミステリだね!
    プレイヤーC:どっちでもないじゃん(笑)。
    GM:まあね(笑)。とはいえ世界観からSFでありファンタジーだから勘弁して。
    プレイヤーB:事件がファミリア関連ということは、敵もウィザードなんですか?
    GM:そうだね。「カルマ値」という無体な行動をとると上がるものがSikiにはあるのだけど、これが150を超えると完全に捕縛対象となる。150に近くても問題があって、罪の意識が薄くなるんだ。
    プレイヤーA:発狂する感じですか。
    プレイヤーC:それもSikiの機能なのかな。
    GM:さあどうだろう(笑)。あ、ファミリアを使っていると上がりやすいから、PCも気を付けてね。
    プレイヤーB:我々も発狂するかもしれないんですね……。
    GM:そういうことだ。ではそろそろ始めていこうか。細かいルールはその都度説明していく。

    ◎ハンドアウト
    PC1〔推奨クラス レイマン〕:両親の都合でしばらく生まれ故郷であるN県D市を離れていた君は、かつて在籍していた私立才羽学園に転入した。しかし、学園内は君の記憶とは違いどこか閉塞的な雰囲気を漂わせていた。中学時代の友人もどうやら様子がおかしいようだ……。
    PC2〔推奨クラス サイバーフォース〕:君は才羽学園で起きた連続傷害事件の真相を調査するために派遣された。現地の霊的磁場の“揺らぎ”が規定値を超えていたことから、事件にSikiが関与していると判断されたためだ。渡された資料には、事件は月の出ている天気のいい夜に起きていると記されていた。
    PC3〔推奨クラス エクソシスト〕:私立才羽学園に新しく学園付き神父として赴任してきた君だが、実はとある事件を追ってバチカンから派遣されたウィザードだ。一年前に迷宮入りした連続傷害事件が才羽学園へと場所を変え、再び始まっている。犯人の手掛かりは、一年前に失踪した相棒が残したメッセージだけだ。

    GM:とまあ、こんな感じなわけだ。好きなハンドアウトを選んでね。
    プレイヤーB:優秀な捜査官がやりたい、2ですかね!
    プレイヤーA:一人で派遣されてるからこれは確実に優秀。
    GM:部下とか連れて行ってもいいよ(笑)。
    プレイヤーB:さすがに扱いきれないです……!
    プレイヤーC:じゃあ優秀なお手伝いしたい。一年前から事件を追ってる神父さんだー!
    GM:お手伝いなのか。
    プレイヤーB:事件に詳しい人を確保! 勝ったな……。
    プレイヤーA:お、なら一般人として巻き込まれに行きますか。
    プレイヤーC:ラノベなら主人公に収まるやつだ。
    GM:実際そのイメージでハンドアウト書いてる節はある。さて、キャラメイクに進もうか。
    プレイヤーB:クラスとプロパティからですね。
    プレイヤーC:とりあえず皆さんクラスは推奨で?
    プレイヤーB:そうですね、私はサイバーフォースでやろうと思います
    プレイヤーA:自分も普通にレイマン・高校生にしようかと。
    GM:クラスは5種、プロパティは50種あるぞ!
    プレイヤーC:多いなあ。
    プレイヤーB:よっしゃ、教師やろう!
    GM:捜査官で教師とは
    プレイヤーB:教職免許を持ってたので今回派遣されました、とか。
    プレイヤーC:優秀さはどこへ?
    プレイヤーB:優秀な教師です。
    プレイヤーA:それ捜査官じゃないよ、教師だよ。
    GM:おおう……じゃあプレイヤーCは?
    プレイヤーC:うーん、何でも屋とか。神父かつウィザードかつ事件捜査ができる。多分他にも雑用をこなす。
    プレイヤーB:まごうことなき何でも屋ですね!
    GM:じゃあ次はファミリアだね。ルルブに載っている18種から選んでね。
    プレイヤーC:やっぱり多いなあ。
    プレイヤーA:おお、バルバトスがいる。バルバトスほしいです!
    プレイヤーB:悪魔? ガン〇ム?
    GM:悪魔、悪魔です! そういうプレイヤーBのほしいファミリアは?
    プレイヤーB:ワイバーンにしようと思ってます!
    プレイヤーA:竜の一種ですね。やはりカッコいい。
    プレイヤーC:大型ですかね?
    プレイヤーB:そうです! 乗れるぐらい!
    GM:なるほど。ではプレイヤーCは?
    プレイヤーC:ピクシー希望ですー。
    プレイヤーA:お、かわいい系だ。
    プレイヤーB:癒し枠となれるのか?
    プレイヤーC:いっちょ目指しますか、癒し枠!(笑)
    プレイヤーA:(笑)。さて、次はコマンドでしたっけ。
    GM:そうです。クラス・プロパティ・ファミリアのコマンドから各1つずつ、さらに自由枠で1つ選んで取得してください。
    プレイヤーB:どういうのがいいとかあるんですか?
    GM:選んだファミリアによって大まかな方向性が決まっているので、好きに選んでもらっても大丈夫です。自由枠はファミリアから選ぶのが楽ですかね。

    みんなでコマンドを選ぶ。最大限楽しめるよう、役割が被らないようにすることに。

    GM:では自己紹介をしてセッションに入りましょう。
    全員:はーい。
    GM:ではPC1からキャラの紹介お願いします。
    プレイヤーA:普通の高校生、風見悠斗です。
    プレイヤーA(以下、悠斗):頑張って主人公できるよう努力します。
    GM:どんなキャラですか?
    悠斗:イメージは騒がしくもないけど静かでもないくらい。人と話すのは好きだけど、久しぶりにD市にもどってきて変わってしまった部分にまだ適応できてない感じですかね。
    プレイヤーC:カッコいいですか?
    悠斗:普通、かなあ。学校の規則に違反しない、黒髪黒目です。制服もちょっとしか着崩しません。
    プレイヤーB:ちょっとは着崩すところに普通さを感じる。
    GM:ありがとうございます。ではPC2お願いします。
    プレイヤーB:はい、優秀な捜査官、中釘レイです!
    プレイヤーB(以下、レイ):いい感じの立ち回りできるかは分かりませんが頑張りますー。
    GM:どんなキャラですか?
    レイ:イギリスのなんたら騎士団から来たサイバーフォースで、英語教師ってことにしておきます。金髪ボーイッシュ!
    GM:イギリスの人なのか。ゼロシックスじゃないのか。
    プレイヤーC:イギリスから出向している協力員って感じかな?
    悠斗:かっこいい!
    レイ:何も考えてませんでした(笑)。そういうことでお願いします!
    GM:大英魔導騎士団、通称円卓から出向している人ですね。
    レイ:ファミリアをワイバーンにしたので、それ関連の方がいいかなぁと(笑)。
    GM:いいですねー。では最後、PC3お願いします
    プレイヤーC:アラン・ドロワーズ、エクソシストの何でも屋ですー。
    プレイヤーC(以下、アラン):赤毛でチャーミングな破戒僧(雑用係)という感じで。
    悠斗:雑用係なのか(笑)。
    レイ:捜査(雑用)。
    アラン:つまり、そういうことですわー。
    GM:了解です(笑)。
    GM:それではセッションを始めていきましょう。よろしいですか?
    レイ:いあいあ。
    アラン:OKです。
    悠斗:はーい。

  • 1. プロローグ

    GM:まずはPC3、アランのプロローグから。
    アラン:あ、個別プロローグなんですね。
    GM:現地に赴くまで、そして事件にどうかかわっていくかをおさらいしつつRPするターンなんだ。
    レイ:なるほど。

    某所、礼拝堂。その片隅にある懺悔室へとアランは入っていった。
    謎の声(GM):「アラン君。“枢機卿”から新たな任務のお達せだ」
    アラン:「はいはい、なんでしょー? お使いですかね」と椅子に座ります。
    壁に空いたいくつかの穴の向こうからは、いつも通り“仕事”の依頼。
    謎の声(GM):「何、君にも関係のない話ではない。――覚えているかね?一年前のあの事件を。一年前、S県で起きた連続殺人事件。君と君の相棒が関わった最後の事件だ」
    アラン:頭を掻きながら「あー、まあ覚えてますけどね?」と返事をしましょう。
    謎の声(GM):「事件の被害者は皆猛獣の爪で裂かれたような傷があった。犯行現場が街中であるにもかかわらず、だ。現場の状況からも間違いなくあの忌々しいSikiが使われていただろう」
     黙り込むアランを前に、謎の声は言葉を重ねる。
    謎の声(GM):「しかし、その事件が解決することはなかった。君の相棒が消息を絶ち、次の犯行は重ならなかった」
    アラン:「そうですねー、そうでしたよー。ああ泣きそう」よよよ、とウソ泣きを添えて。
    レイ:フランス料理風に(笑)。
    謎の声(GM):「真実がどうあれ、あの状況では君の相棒に嫌疑がかけられて当然だろう……君は最後まで無実を訴えていたがな」
    悠斗:そうだったんですね……。
    アラン:そうだったのか……。
    レイ:ちょっと、アランさんまで(笑)。
    謎の声(GM):「そういえば君は彼が失踪する直前、彼からのメッセージを受け取っていたな……確か『ビャッコに気をつけろ』だったか」
    アラン:「真面目な奴のくせしてイミフなメッセージでしたねえ、ホント」
    アラン:きょとんとして「で、それが何か?」
    謎の声(GM):「結局のところ事件は未解決のまま一応の決着を迎えたわけだ。だが数か月前から隣県であるN県で、一年前のそれと状況が酷似した事件が起きている」
    悠斗:因縁の事件というわけですね。
    謎の声(GM):「今回はなぜか月がきれいな夜に起きているそうだ。なんとも嘆かわしい。事件の資料はまとめておいた、あとで目を通しておきたまえ」
    アラン:「え、つまりはまた捜査のお仕事ですかあ!? 私には向いてなさそうってなったじゃないですかああ!!」と笑いながら叫びましょう。
    レイ:未解決だからですか?
    アラン:つまり、そういうことです(笑)。
    謎の声(GM):「“枢機卿”の勅だ。君に断る権利はない」と苦笑して断じます。
    悠斗:誰だか知らないけど優しそうですね、謎の声さん。
    謎の声(GM):「今回は現地のサイバーフォースと協力しても構わない。早急に事件を調査・解決したまえ」
    アラン:「(なるほど、私は一年前を知っている人間として雑用に駆り出されるわけですね。それなら楽そうだ。)承知しましたぁ!」と言ってそろそろ出ましょうかね?
    謎の声(GM):「そういえば、君の相棒のファミリアは確か、“異端の獣”だったか……まさか、な」
    懺悔室を出る前に告げられた言葉は、ひどく不吉な響きを持っていた。
    アラン:仕事前に煽られてしまった……ちくせう。
    GM:このあたりでアランのプロローグは終了です。すぐにN県の才羽学園へ赴くことになります。
    アラン:はーい。
    GM:ではPC2、レイさんのプロローグにいきましょう。
    レイ:はーい。

    公安庁第六室。イギリスから特派されている中釘レイにとっても、もはや通いなれた職場だ。
    周防(GM):「来ましたか。いきなりですがあなたに一つ仕事をお願いしたい」
    ノックして扉を開けると、部屋の主である第六室室長、周防が迎え入れる。
    周防(GM):資料を手渡しながら、「概要を先に伝えましょう。場所はN県D市、私立才羽学園。有数の進学校ですが内情は問題のある学校だとか……そこで数か月前から連続で傷害事件が起きています」
    レイ:「連続傷害事件、ですか。外様の僕に直々とはまた、いったいなぜ?」
    周防(GM):「協力員のあなたに頼むのも申し訳ないのですが、こちらも人手不足でしてね。人員を遊ばせておく余裕はないのですよ」
    レイ:「ずいぶんはっきりと言いますね……まあ、こちらとしてもお客さん扱いされるのは大概暇なので、仕事をいただけるというのはありがたいですが」なんて、労働意欲を見せつけましょう。
    アラン:普段は暇してるのね。
    悠斗:まあ警察が暇なのはいいことですし。
    周防(GM):「文句は後で聞きますよ。まずは目先の仕事です。話を続けますよ?」
    レイ:ああはい、どうぞ。
    周防(GM):「被害者は皆獣の爪で裂かれたような傷があり、意識の回復した生徒も『気づいたら倒れていた』などと不明瞭な供述をしています。推定犯行時間の監視カメラを確認しても、生徒がひとりでに倒れる様子が映っているだけでした」
    悠斗:それだけ聞くとただの怪奇現象ですね……。
    アラン:いや怪奇現象の時点で普通じゃないでしょ。
    悠斗:そうでした。
    レイ:世界に染まってきてますね……。
    周防(GM):続けますよ?(笑)
    周防(GM):「これは明らかに異常な事態でしょう。警察上層部はSikiの関連を疑い、我々に声をかけたというわけです。ここまではよろしいですか?」
    レイ:「ええ、どうぞ続けてください」
    周防(GM):「学校側には話をつけておきました。調査の拠点として一室を借り受けてあります」
    アラン:あれ? 私は学校付きの神父だったような。この差は一体……?
    レイ:こちら公安なので(ドヤァ)。
    周防(GM):「学校側は生徒の混乱を避けるため事件のことは公表していないそうです。あなたもそれも弁えて行動することが望ましい」
    悠斗:となると俺も知らないわけですね。
    GM:不審者がどうこう、という情報で警戒は促しているよ。さすがに見えない何かにやられたとは言えないからね。
    アラン:そりゃそうか。
    周防(GM):「つまりあなたの任務はこの事件の速やかな調査、危険があればその対処、ということです」
    レイ:「事件についておおっぴらに対応はせず、調査しろということですね。なかなか骨の折れそうな案件じゃあないですか」やる気に満ちた目で微笑んでおきましょう。
    アラン:うわ、仕事できそう(笑)。
    レイ:実際できますからね(笑)。
    周防(GM):「ではさっそく現地に向かってください。追って連絡いたします」
    レイ:「はいはい、わざわざどうも」
    GM:これでPC2のプロローグは終わりです。最後にPC1、悠斗君ですね
    悠斗:はーい。

    君は両親の都合で長らく住んでいたD市をしばらく離れいたが、一週間前に帰ってきたばかりだった。君は中学時代に在籍していた才羽学園に編入し、かつての友人たちと旧交をあたためていた。
    そんな君には、ひとつ気がかりがあった。それは、中学時代に最も仲の良かった中嶋についてのことだった。彼は社交的な人物ではなかったが優しく努力家だった。しかし数年ぶりに会った彼は暗い雰囲気で、何より顔や腕に怪我の跡がいくつも見て取れた。彼に聞いても大丈夫というだけ、友人にそれとなく尋ねても気まずそうに話をそらされるだけだった。この一週間彼は学園に来ることもまちまちだったが見るたびに怪我はひどくなっているように思えた。
    クラスメイト(GM):「なぁ、聞いているのかよ。さっきから上の空だぜ、何か考え事でもしてんのか?」
    悠斗:「え? あぁごめん、なんでもないけど。何の話だっけ?」とぼけた顔を上げて答えます。
    レイ:実際聞いてなかった。何の話でしたっけ。
    アラン:わからない……誰だ、こいつ?
    GM:クラスメイト君だよ。噂好きで転校生の悠斗君に真っ先に近づいてきた。
    アラン:いい奴じゃないか。
    GM:事件には全然関係ないし、この後出てくる予定もないから好きにしていいよ。
    レイ:ふむ。噂好きかつ女の子好き、いろいろとアプローチをかけてはいるがいい人止まりでなかなか恋が実らない好青年、とかか。
    悠斗:いろんなところで聞くタイプの友人ですね。
    クラスメイト(GM):じゃあ続けるよ?(笑)「学園七不思議が更新されたらしいぜ? まったくこの学園いくつ不思議があるんだって話だよなー」と明るく語ります。
    悠斗:「それって俺が前にここにいた時から常に更新されっぱなしじゃないか……誰が更新してるんだよ」と話を合わせます。
    クラスメイト(GM):「確かに、考えたことなかったな……」
    アラン:更新され続ける七不思議として七不思議に載るぞ、これは。
    悠斗:話を戻しましょう「で、こんどは何が追加されたって?」
    クラスメイト(GM):「ああ、そうだった。今回は校庭に現れた狼男だってよ」
    悠斗:「狼男? それって夜しかでないんじゃ……」
    彼の話を適当に聞き流していると窓の外に見える校庭から中島の姿が目に入った。悠斗はあ、と小さく声を上げる。
    悠斗:「まあ、どうせそれもまたすぐ更新されるだろ。わるい、用があるからまた」そう言って席を立ちます。
    中嶋は駆け下りてくる悠斗を見つけると声をかけてきた。
    中嶋(GM):「ああ、悠……いや、風見、おはよう」
    怪我はひどくなさそうだが目の下の隈は濃く、目には光がなかった。
    悠斗:これ、もどってきてからずっと名字で呼ばれてるんです?
    GM:悠斗って言いかけて風見って直してます。
    悠斗:了解です。
    レイ:寂しいなあ。
    悠斗:「……おはよ。なあ、何度も聞いてるけど、お前大丈夫か?」
    中嶋(GM):「僕はもう大丈夫だよ」と力なく笑った。
    中嶋(GM):「大丈夫だ……もう、大丈夫だから。明日からは風見とも、昔のように……」
    悠斗:「……え?(最後の部分を聞き返すように)」
    中嶋(GM):「心配しないでくれ……あ、そうだ」と言ってカバンからデバイスを取り出します。
    アラン:デバイス?
    GM:スマホじゃないからね、わかりやすくデバイスと呼んでるよ。
    レイ:なんかカッコいい機械、ということですか。
    GM:そんな感じで。
    中嶋(GM):「風見にはこれをあげておこう。もし僕が……いや、なんでもない」
    中嶋は悠斗のデバイスを手に取ると何やら操作をしてから返す。
    悠斗:「なんだ、何をしたんだ?」
    中嶋(GM):「じゃあまた後で」中嶋はそう言って悠斗の問いに答えることなく校舎の中へと駆け出して行ってしまった。
    悠斗:「え、おい……やっぱりなんか、変だよなぁ」そう訝しみながらデバイスを見ますね
    GM:中嶋が振り返ることはなかった……となってプロローグは終了です。

  • 2. 戦闘フェイズ

    次は戦闘フェイズに入ります
    GM:プロローグは朝~昼過ぎでしたが、今は夕方です。悠斗はどうしましょうか?
    GM:帰宅せずに校舎です?
    悠斗:うーん、普通に帰宅します。イメージ帰宅部なので。
    GM:なるほど、では帰宅しようとした瞬間、笛のような音が聞こえます。
    レイ:さっそくですね!?
    悠斗:「なんだ……? 笛、みたいな」
    近くのようでもあり、遠くから聞こえる音のような音色。どこからともなく、という言葉がこれほど適切な音もないだろう。
    悠斗:「気味悪いなぁ……」
    アラン:なるほど、SAN値チェック。
    GM:それを聞いたあなたが直感的に振り返って校庭を見ると、何か人が倒れているように見えます
    悠斗:「……!」
    GM:普段なら遠すぎて肉眼では見えない距離なのに、です
    悠斗:「え……!?」
    レイ:えぇ……?
    悠斗:「な、なにが、おこって」
    アラン:まさしくその通り。なんだ?
    GM:目を凝らしてみると、倒れている人は流血しているようにも見えます。
    悠斗:「そんな、」そっちに駆け寄ります。とにかく様子を見なくちゃ。
    気になって向かってみると、そこには獣の爪で切り裂かれたように背中の傷口から血を流して倒れる3人の生徒の姿が。素人1人ではどうにもできない、と一目でわかってしまった。
    悠斗:「! なんで、誰か呼んでこないと!」
    刹那、背後に殺気を感じた。とっさの判断で横に飛ぶ。
    確かにそこに殺気を感じたし、今も感じている。なのに、そこに何がいるのか全くわからない。目の前にはただの校庭しか広がっていない。
    悠斗:「なにも、いない?」
    その時悠斗のポケットの中でデバイスが振動した。発光するディスプレイに浮かぶSikiの文字。そしてその下で点滅する「Touch to Start」の文字。
    悠斗:「? こんなアプリ入れてたっけ……?」タッチスクリーンの文字に引き寄せられるように指を重ねます。
    GM:画面に触れるんですね?
    悠斗:触れます。
    悠斗が画面に触れた瞬間、その足元に発光する魔法陣のようなものが浮かび上がり、「認証開始」という無機質な音が頭の中に響く。
    先ほどまで姿も形も見えなかった襲撃者の正体が、月明かりの下に照らされた。
    悠斗:「!!」
    その姿は白い体毛の虎。それだけに赤くくすみ液体の滴る爪が、ひどく異彩を放っているように思えた。虎は今にもとびかかろうとしている。
    悠斗:「と、虎? ってそうじゃなくて逃げないと!」背は向けずにその場を離れようとします。
    レイ:動物相手には適切な行動だ。
    アラン:目は合わせちゃダメだよ。
    虎が悠斗目掛けて跳びかかる――しかし、その凶爪が届くことはなかった。
    いつの間にか、二人の人物が君を守るかのように前に立ちふさがっていたのだ。
    悠斗:「え……?」
    アラン:……あ、我々?
    GM:そうだよ(笑)。
    レイ:よし、じゃあ僕から行くんで、ついてきてください。
    アラン:合点承知。
    レイ:「……いやいや、こんな無鉄砲な生徒がいたとは。敵に背を向けないとは、見上げた精神だね」
    アラン:「見えてますし、ユーザーなんでしょう。まさか生徒にもいたとは意外でしたけどー」
    悠斗:ただただ驚いて二人を交互に見てます。かっこいいよ……!かっこいい……!
    次いで悠斗の足元に表示された魔法陣から、何やら人のような、悪魔のような存在が現れた。
    悠斗:「なんだよこれ……」
    バルバトス(GM):「私は第八の魔神、バルバトス。人馬宮を背負いし狩猟公爵なればこそ。――其方が、此度の我が主か?」
    悠斗:「え……俺?」と一度後ろを振り返り誰もいないのを確認して「よくわからないけど……そう、なのかもしれない」
    バルバトス(GM):「ふむ、これは何とも幼気な主であるな。よい、構わぬ」
    アラン:ファミリアが喋ってる!?
    GM:高位のファミリア(人型、神格、聖性、魔性)はしゃべれることが多かったりするよ。
    悠斗:バルバトス絶対しゃべれるな、それ(人型、神格、魔性)。
    レイ:役満でしたね。
    バルバトス(GM):「察するに、ここは現代の狩場であろう。そして今宵の獲物は、有難き白虎ときた。寝起きの私にはおあつらえ向きの肩慣らしよ」
    アラン:召喚(起床)。
    バルバトス(GM):「而して、主にとっては初陣か……若輩を導くのも先達の役目。主よ、共に征こうか」
    悠斗:頭の整理が追い付かないけど、……いまはいいか「わかったよ、俺も一緒に連れて行ってくれ」
    バルバトス(GM):「そうでなくてはな。男児たるもの、狩りは嗜みであるべきだ」
    ニヤリと笑い、悪魔らしい覇気を発してバルバトスは告げる。
    「まずは弩の弾き方と、獲物の追い立て方から指南しようか」

    GM:さあ、戦闘です!
    GM:マップの手前、1~3がPCの初期配置可能エリアです。3ラウンド以内に敵を撃退してください。またメインではウィザードかファミリア、どちらかの種別のコマンドしか使えないことに注意してください。
    アラン:位置取りどうします?
    悠斗:まあ自分は位置的に二人の後ろだからこれでいいかな。バルバトス初期位置D2。
    レイ:じゃあワイバーン初期位置E3で。
    アラン:ならピクシーはC3にしておきましょう。
    GM:じゃあこの配置でいいですね?
    GM:第1ラウンド、開始です。
    GM:まずは白虎(仮)(初期位置D6)の行動から(ころころ)1、1、1、4!?
    GM:ファンブルぎりぎり(笑)。
    悠斗:4D6で開幕ファンブルはある意味おいしいけど(笑)。
    アラン:ナニコレ……。
    GM:えー、D5に移動して『オーバークロック』。以上です
    悠斗:よーし、ワイバーン先に行動していいですよー
    レイ:分かりました! (ころころ)1、2、1、5ですね。E4に移動して白虎(仮)に『翼撃』します
    レイ:命中判定2D6でよかったですよね?
    GM:実はこのゲーム、命中判定は回避判定を受け手が宣言しなければ発生しません。
    レイ:分かりました 待ちます。とりあえず僕のワイバーンは飛行状態になりました。
    GM:回避宣言しないのでダメージ計算にはいってどうぞ!
    レイ:白虎(仮)に6ダメージです。
    レイ:3セルまで移動させられますが、遠くして欲しいとか近づけて欲しいとかあります?
    悠斗:自分は遠くても近くても大丈夫です。
    アラン:こちらも同じく! 引き撃ちできますよ、しますか?
    レイ:引き撃ちはどちらでも(笑)。このままでよければ移動はなしで。以上です
    GM:6ダメージ、移動無し了解です。処理しました。
    レイ:「空は僕のフィールドだ。狩られる覚悟を決めておくのをおススメしよう」と不敵に微笑みます。
    アラン:ファーストアタック成功! さっすが優秀な捜査官だ。
    GM:はーい、では次の方
    悠斗:このターンの行動値を0にして待機って可能だよね?さっきの流れからして行動最後のほうがいい気がして。
    GM:このゲームには待機ルールがないんだ。ハウスルールということで処理してほしい。今回はルルブ準拠にするのでなしです。ごめんね。
    悠斗:じゃあ、行動しますね(ころころ)6、3、6、4です。
    GM:クリティカル!
    悠斗:おお!?
    GM:10面を1つ振ってください
    悠斗:やったー(ころころ) 4!
    GM:6、3、6、4、4、としてコマンド選択をお願いします。
    悠斗:ではまずD3に移動して。『千里眼』でコマンド範囲が+1になっているので、まずは『クラッキング』で白虎(仮)に6ダメージ。
    GM:受けます。
    悠斗:そして『角笛の音とともに』でユニットを2体召喚します。
    GM:了解です。
    悠斗:そしてユニットは1D6で攻撃するんだけどこれは主のターンでしていいんだっけ
    GM:ユニットは召喚したターンには行動できません。
    悠斗:了解です。D4とE3に配置して終了です。
    アラン:ユニット系か、怖いね。
    バルバトス(GM):「狩りは囲い込むのが定石である。獲物をしかと仕留めるのだ」
    レイ:「心強いな……!」
    悠斗:次どうぞ!
    アラン:はーい(ころころ)2、4、4、3ですねー、ピクシーC2に移動!
    アラン:まずは白虎に『悪戯』です、C6へ飛ばしてしまいましょう、ついでに2ダメ。
    GM:はい、受けます。
    アラン:白虎、ワイバーン、バルバトスに『妖精の粉』次の判定の達成値+3です。
    レイ:わーい。
    悠斗:おお。
    GM:白虎にもか。
    アラン:追加効果で白虎に『クラッキング』か『スキャミング』してやろうと……。
    GM:どっち?
    アラン:『スキャミング』します。
    GM:目標値4でLvD6どうぞ。
    アラン:よーし(ころころ) 1!? ええ……。
    GM:失敗です。『スキャミング』は阻害されました。
    悠斗:あらら……。
    レイ:『スキャミング』って種別ウィザードじゃなかったですっけ。
    GM:『妖精の粉』の追加効果であって、コマンドを直接発動したわけじゃないからセーフ。
    レイ:なるほど!!強いですね~~。
    アラン:行動終了です!
    GM:1ラウンド目終了! 何か処理はありますか?
    悠斗:ないです!
    レイ:特にないです!
    アラン:「ちぇっ、戦闘中の情報収集は苦手なんだ……」と独り呟きます。処理はないです。
    レイ:(この生徒……ファミリアを初めて使役するような素振りだったけれど、あのバルバトスとかいう悪魔をよく手懐けているように見える。逸般人、とはよく言ったものだね)
    白虎(仮):グルルルルルル

    GM:では2ラウンド目開始です
    GM:まずは白虎(仮)から(ころころ)6、3、1、4、6クリティカルです(ころころ) 5
    GM:6、6、5、4、3、1でコマンド選択しますね、C5に移動し『???』を発動します。フェイズ間STRとAGIを1ずつあげます。
    レイ:コマンド名がうまく聞き取れないな。
    アラン:どうやら強化系のコマンドみたいですがねー。
    GM:『オーバークロック』して以上です。
    悠斗:「なんだあの虎、攻撃してこないぞ……?」悠斗はいぶかしんだ。
    GM:強化したらコストがなくなっちゃった。
    アラン:次のラウンドで終わりだよ?
    GM:そうなんだけどね。次の方どうぞ
    レイ:バルバルとどっち先の方がいいですか?
    悠斗:あまり先に行動したほうがいい時とかなさそうなんで、とくに何もなければお先どうぞー
    レイ:分かりました!(ころころ)5、3、6、1です。
    レイ:D4に移動、ユニットA1の上空を飛び、白虎(仮)に『翼撃』を使います。6ダメージです。
    GM:はい、受けます。
    レイ:『妖精の粉』の達成値って、出目に+3ってことですか?
    GM:判定の達成値なんで、コマンドダイス判定に+3ですね。つまりはそういうことです。
    レイ:了解です。まあ特に使えるものもないので、『オーバークロック』して終了します。
    GM:じゃあ終了ですね。次の方どうぞ
    悠斗:(ころころ)2、3、4、3か。ピクシーさん、バルバトスがC3に移動しちゃったら邪魔です?
    ピクシー(アラン):いえー、ぜんぜんー
    悠斗:ではC3に移動します。『千里眼』で範囲広いので『クラッキング』。6ダメージです。
    GM:『緊急回避』します。その『クラッキング』を自動失敗に。
    悠斗:「なんだって……!」
    レイ:ふむ、そろそろ情報強度(このゲームでのHPにあたる数値)が危ういと見える。
    悠斗:じゃあ『オーバークロック』して、自身は終了、ユニットA1をD5に移動して1D6で攻撃します。
    悠斗:(ころころ)5、お。5です!
    アラン:お?
    GM:回避を宣言します!!!
    GM:あ、ボスは原則回避宣言しないので『緊急回避』です。
    悠斗:つまりまた失敗扱い、と。
    GM:そうですね。
    レイ:ボスは原則回避宣言しない(『緊急回避』しないとは言ってない)。
    GM:回避判定の宣言をしないだけなので(ボスのステでやられると大体避けられる)。
    悠斗:『緊急回避』はシナリオLv回だからおそらくもうつかえないんじゃないかな!ここでつかいきってよかったのかな!
    レイ:緊急回避Lv5の可能性が微レ存()
    悠斗:回避特化……! なら「は、はやい……!」と驚いておきましょう。
    悠斗:じゃあターン終了で。
    アラン:自分の番ですね(ころころ)1、3、3、6ふむ。移動はなしで、白虎に『悪戯』しましょう。D6へ移動させて2ダメです。
    GM:くらいます。
    アラン:「悪戯は攻撃じゃない、OK?」
    レイ:まあ2ぐらいなら避けることもないかってなるのかな。
    アラン:白虎、ワイバーン、バルバトスに『妖精の粉』。次の判定の出目+3です。
    GM:見せ場もなく死にたくない、ダメージは与えておかないと……!
    レイ:やはり最初の出目がふるわなかったのが……。
    悠斗:情報強度ちっとも削られてないね、そういえば。
    レイ:そのへん割と心もとないパーティですからね。
    アラン:しょうがないなあ……『クラッキング』はよしておこう。
    GM:『スキャミング』をするんだ。
    アラン:追加効果でもういちど白虎に『スキャミング』だー!
    GM:目標値4で
    アラン:(ころころ)2、おい!
    GM:失敗です。
    ピクシー(アラン):むりみー(・ワ・)
    GM:ピクシー(笑)。
    悠斗:スキャミングが尽く阻害されてるね……。
    アラン:行動終了です
    GM:はい2ラウンド目終了!

    GM:最終ラウンドです! いいですか?
    全員:はーい
    GM:では白虎(仮)から(ころころ)2、4、3、4、4、『妖精の粉』の効果で出目+3です。
    レイ:そろそろ攻撃してくるかな?
    アラン:最終ラウンドなんだよなあ。
    GM:ユニットに『ダブルクロー』で4D6ダメージです!(ころころ)12ダメです(オーバーキル)。
    悠斗:まあユニットなので1ダメージでさよならですけどね!
    GM:えー、以上です……。
    レイ:近接以外雑魚では……。
    GM:雑魚る子でした。
    悠斗:地味にこのパーティ、全員近づく必要ないビルドだな。
    アラン:引き撃ちパですぜ。
    レイ:バルバル攻撃届きます?せっかくなら主人公に撃退して欲しいです。
    悠斗:……とどかないんだなぁ、これが。
    レイ:あっ……じゃあ行動させていただきます(ころころ)5、4、2、5、3か。
    レイ:D5に移動、白虎(仮)に『クラッキング』と『翼撃』します。
    GM:はい、ダメージどうぞ
    レイ:合計で11ダメージです
    GM:死にます。
    レイ:はい。
    GM:おめでとうございます、見事撃退です!
    レイ:慈悲もなくオーバーキル。
    GM:では戦闘フェイズ終了です。

    GM:フェイズ間処理をお願いします。とはいえ無いも同然ですが。まず1D6の情報強度修正を行ってください。
    悠斗:バルバトス(46)
    レイ:ワイバーン(24)
    アラン:ピクシー(12)
    GM:そしたら白虎(仮)を撃退したときのRPお願いします
    悠斗:「ええと……勝った、のか?」
    バルバトス(GM):「勝利、ではない。単なるいち狩猟の結末だ。この程度で一喜一憂すべきではなかろう」
    悠斗:「……そういうもんなのか」
    レイ:バルバル△
    GM:バルバル△
    アラン:かっこよくて口挟めねえ。
    レイ:ほんとそれですよ。
    GM:はさんでくれ(笑)。
    バルバトス(GM):「だが、初陣にしてはよくやった。また狩りの際は喚起するが良いさ」
    悠斗:「ありがとう」
    そう言い残してバルバトスは薄く消えていった。
    悠斗:(なんか力を貸してくれたのはわかったけど、なんだったんだ……)
    アラン:「なあに、生き残ってさえいりゃ万事OK、よくやったじゃないかボーイ」
    レイ:「……はあ、全く。パーパの赤ん坊に、件の獣、その上レイマンと一度に遭遇することになるとは。今日は本当についてない」
    悠斗:「ええっと……なんだったんですかあれ……というかなんなんですかあなたたちは」
    アラン:「うん?」と頭の横にピクシーを浮かばせる
    レイ:「それより君、怪我なんかはないかな。何もなければ別にいいんだ。今日のことを口外しないでおいてくれれば、それで。君の勇敢さは称えるけれど、自らの武勇を自らの口に語らせるのなら、それはただの蛮勇だからね」
    アラン:(どっちが答えればいいんだ、これ)
    レイ:(なんかいい感じにお願いしますよ)
    GM:(ホントいい感じに頼むぞ、うまく次につなげてくれ)
    悠斗:「怪我はないですけど……って、あ!」さっきみた怪我人達を思い出します。
    GM:よしちょうどいい、ここらへんでフェードアウトかな。

    GM:てなわけで戦闘フェイズ終了です! お疲れ様でしたm(__)m

  • 3. 調査フェイズ

    GM:ではでは情報収集フェイズをさくっとこなしちゃいましょう。準備は大丈夫ですか?
    全員:はーい
    GM:では行きましょう!

    翌日悠斗たちは特別棟4階、視聴覚準備室に集められていた。ここはサイバーフォース・ゼロシックスがこの事件の解決のために調査の拠点として学園側から借り受けた一室だ。
    周防(GM):「お越しいただきありがとうございます」
    レイが起動したモニターの向こうで30代ぐらいの男性が話し始めた。
    周防(GM):「まずは自己紹介から始めましょうか。私は周防と申します。公安庁第六室の室長を務めているものです。このたびはお呼びだてして申し訳ありません。一応中釘から連絡は受けているのですが、モニター越しとはいえお会いするのは初めてなので、改めて名前と所属をお伺いしてもよろしいですか?」
    アラン:お、ここで自己紹介の流れか。
    GM:そうです、お願いします。
    悠斗:「ええと、才羽学園2年の風見悠斗です。どうも」ぺこりと頭を下げます。
    アラン:「アラン・ドロワーズ、教会から派遣された雑用係だ……なんか知らないけど学校勤めになってた。よろしく。しかしまあ、なぜ学校勤めとかいうカバーストーリーを? 教会はバカなの?」
    周防(GM):「……今のは聞かなかったことにしておきましょう」
    アラン:「あ、ども」
    悠斗:(なんかよくわからないけど、面倒事に巻き込まれてる気配がするなぁ)
    レイ:周防さんの気遣いが(笑)。
    GM:きっと教会関係者との折衝は大変なんですよ。
    アラン:優しい……雑用係にはもったいねえ気遣いだ。
    周防(GM):「お二人ともご丁寧にありがとうございます。昨夜の一件は災難でしたね。特に風見君。君にとっては何が何やらといった感じでしょうか」
    アラン:「私はともかくさー、悠斗くんもここに呼ばれてるってことは、協力してくれるってことになってるの?」
    悠斗:「そうですね、流石に理解が追いつかなくて夢だったと思いたかったんですけど……ここに呼ばれたってことはそうじゃないんですね」
    周防(GM):「君の疑問は尤もだと思います。今日はその疑問を解消すべく来てもらいました」
    アラン:「おっと、まさかニュービーなのか……?」
    悠斗:「ニュー、ビー……?」
    周防(GM):「ええ、我々の世界にとって君は新参なのですよ、風見君」
    アラン:あ、レイさんの自己紹介が流された。
    レイ:僕は自己紹介しなくてもいい流れかと。周防さんとはほら、顔パスできる仲なんで……?(笑)。
    悠斗:「……どっちかというと知らないほうがいい気がしてきましたね。まあ、教えてもらえるなら知りたいですけど」
    周防(GM):「残念ながら、巻き込まれたとは言えこの件に関わった以上もはや他人ごとではいられないでしょう。これから昨夜の件も含めて、我々が得ている情報について共有したいと思います」
    悠斗:「……お願いします」
    周防(GM):「風見君、君がどう判断するかは自由です。私の話を踏まえてよく考えることです」
    悠斗:「はい」聞く覚悟を決めました。
    周防(GM):「我々はこの学園から学園で起きている連続傷害事件の調査を依頼され昨日着任しました。そして中釘君が調査のため校内を見回っていると、白虎と交戦中の君を発見したわけです」
    周防(GM):「ドロワーズさん、ここからは貴方も同様でしょう。風見君が巻き込まれてしまった一般人だと判断した両名は、風見君への助力を決断したわけですね?」
    アラン:「その通りですわ。あ、アランでいいですよー」
    周防(GM):「左様ですか……では、そのように」
    アラン:「まあすぐに悠斗くんがユーザーなのはわかったわけですけどね」
    悠斗:こころなしか周防さんが困惑しているような気配を感じる(笑)。
    アラン:がんばれ、周防さん!
    周防(GM):「風見君。君が昨晩何と戦ったのかについて説明しておきましょう。君が戦ったのはファミリアと呼ばれる、ある種の使い魔です――いわゆる魔法と呼ばれるものの産物ですね」
    悠斗:「……魔法? たしかに現実離れしてるなとは思いましたけど」
    周防(GM):「君にとってはフィクションの出来事かもしれませんが、実際にフィクションに命を狙われたわけですから、これはもう納得していただくしかありませんね」
    悠斗:「うっ、そうですね。死ぬかと思いました」ダメージはなかったけど、襲われたのは確かですしね!
    アラン:「いやいや、結構いい線いってましたよー? 才能ありますって、絶対」
    周防(GM):「しかしそのフィクションが現実に現れたのには理由があります。それが昨晩君も使ったであろう一つのアプリケーションです」
    悠斗:「アプリケーション?」と手元のデバイスを見ます。
    周防(GM):「Sikiと呼ばれるそれは、製作者は不明ですが、素人でも魔法のような使い魔召喚を可能にするものだということが分かっています。そのアプリケーションを起動させた覚えはありませんか?」
    悠斗:「そういえば、あの時なんか光って……押した気がします」
    周防(GM):「そしてそのSikiによって召喚された使い魔がファミリアというわけです」
    周防(GM):「我々公安庁第六室はそのSikiが関わる事件を専門に調査しています。この学園で起きている連続傷害事件、この事件には間違いなくSikiが関わっているでしょう」
    レイ:(こいつ話長いな、もったいつけやがって……)と思いながらうつらうつらする。
    周防(GM):「中釘君……?」
    レイ:「……ん? あれ、周防さん。もう話終わりました?」
    周防(GM):「終わってませんが」
    アラン:「不真面目な生徒ですか、あんた」
    レイ:「あ、ああー、そうですか。どうもすいませんね、続けていただいていいですよ」
    周防(GM):「まあいいでしょう、中釘君は放置して話を進めます」
    悠斗:「えーと、つまりあの白い虎も、一緒に戦ってくれたあいつも、これが召喚する使い魔ってことなのか。それで白い虎を召喚する奴がこの学園にいる……?」
    周防(GM):「その通りです」
    アラン:呑み込みが早い、いい子だ……!
    周防(GM):「どうでしょう、ここは我々に協力していただけないでしょうか?我々としては早急にこの事件を解決したい。当事者であり、また Siki を使いファミリアは使役する君は、この事件を解決するカギになるやもしれません」
    悠斗:「……わかりました。俺なんかが役に立てるのかわかりませんが」あの人たち強かったもんなぁと二人を見ながら告げます。
    レイ:(寝てる)
    周防(GM):「中釘君?」
    ピクシー(アラン):クスクス(・ワ・)
    周防(GM):「ドロワー……いえ、アランさん、貴方もそれで構いませんか?所属や目的は違えども、現段階では協力できるはずです」
    アラン:「もちろんですともー。もともとそちらが本命のお仕事ですしね。学校に派遣されるのは想定外というものです」
    周防(GM):「お二方ともご快諾いただきありがとうございます。ではここからは協力体制のもと事件の究明に取り組みましょう。ではまずは情報収集からはじめましょうか。現場での判断は中釘君に任せましょう」
    悠斗:おずおずと「あの」と声を掛けます。
    周防(GM):「おや風見君、どうかしましたか?」
    悠斗:「皆さんは、警察の方、なんですよね?」
    周防(GM):「私と中釘君はそうですね。とはいえ公安警察という特殊な立場なので風見君が想像する一般的な警察とは異なるかもしれませんが」
    アラン:「そう、そして私はちょーっとだけ違うとこ。いや、かなり違うとこ? 教会っていうんですけど」
    悠斗:「そうですか。じゃあこの件が終わって……もし皆さんに頼れる場合だけでいいんですが、一つお願いを聞いてもらえませんか」
    周防(GM):「なんでしょう?こちらは協力をお願いしている立場です。できる限り便宜は図らせて頂きたいと思いますよ」
    アラン:「この人たちはやべー権力持ってるわけですしね、たいていのことならOKでしょう。マジで」
    悠斗:「ありがとうございます。実は俺の友人が少し困ったことになってるかもしれなくて。もしもそのことで警察とか……教会にお世話になることがあるかはわかりませんけど。そういうことがあったら相談に乗ってくれませんか? 俺じゃできることに限りがあるし」
    悠斗:「大事な友達、なんです」噛みしめるように口に出しました。
    周防(GM):「なるほど……よくわかりました。この件が終わってからと言わず、すぐに担当部署に手配させましょう。私からの依頼だと言えばそう悪くはされないでしょう」
    悠斗:「いいんですか!? ありがとうございます!」
    アラン:「教会は……話を聞くぐらいしかできないからなあ……」
    レイ:「尊いねぇ、友情ってものは……」むにゃむにゃと。
    周防(GM):「そこの中釘君にご友人について伝えておいてください」
    周防(GM):「中釘君、いいですね?」
    レイ:「ふぁあ……え? ああ、はい、もちろん最低限の仕事はしますとも。お任せください」
    悠斗:「わかりました、よろしくお願いします」
    周防(GM):「風見君、中釘君が頼りなければ私に直接連絡しても構いませんよ」
    悠斗:「えっ、いやそんなことはないです……」
    アラン:「お、学生にして警察のお偉方とパイプを持つチャンスだ」
    周防(GM):「ふ……冗談ですよ、困らせてしまいましたか」
    悠斗:「ええと……大丈夫です」
    レイ:「ふふふ……風見くん、一捜査官として力の及ぶ範囲でなら、なんでもするとも。こんなにも無垢な心を持つ君と、そのご友人のためになるのであれば!」
    悠斗:「ありがとうございます、えっと、中釘さん?」
    レイ:「ああ、自己紹介が遅れてしまったね。僕は中釘レイ。今はイギリスから日本の公安へ出向中の身なんだ。どうぞよろしく」
    周防(GM):「中釘君もようやくやる気を出したようですね」
    レイ:「何をおっしゃいますか、周防さん。僕はいつだってやる気ですよ? 周りからそう見られないだけで」
    アラン:「マジか……普通に不真面目な人だと誤解してしまいましたぜ」
    悠斗:「イギリス……これって世界中で起きてるんですね……。よろしくお願いします」
    周防(GM):「まあやるときはやる人ですからね……では気を取り直して情報収集からはじめましょう。中釘君、お願いしますよ」

    GM:ということで情報収集フェイズです。このフェイズではSikiを通してや様々な方法で事件の情報を集めていきます。
    GM:Siki第二の機能を使うことで、ネットワークを視覚化しVRとして没入することでデータにアクセス(ハッキング)することができます。
    GM:戦闘がAR、調査がVRってイメージです
    悠斗:なるほど、そういう感じなんですね。
    GM:今回調べられる情報は3つ。
    1 事件ファイルA(B)
    2 戦闘記録の解析
    3 生徒SNS A(B)
    です
    GM:()つきのものは2段階分あることを意味します。これらの情報はユニットのように表示され、『スキャミング』によって目標値以上の出目を出せれば情報が手に入ります。このフェイズでは情報収集や情報強度修復などその後のクライマックスに備えるのが主な目的ですが、場合によってはPCたちの情報収集を阻む敵が出てくるかもしれません。
    GM:皆さん準備はよろしいですか? よろしければ初期配置をお願いします!
    全員:OKです!
    アラン:さて、だれがどこ行きましょう。
    悠斗:情報収集得意な人はいます?自分は得意じゃないです。
    レイ:生徒SNSが高校生かアライメント秩序判定なら行きたいんですが、どうなんですかね。
    GM:SNSは混沌でしょう。高校生ではあると思います。
    レイ:そしたらSNS行きます!
    アラン:じゃあ自分が事件ファイルいきますか。
    悠斗:お願いします。
    GM:では第1ラウンド開始です。行動値高い順からどうぞ
    悠斗:ワイバーンお先どうぞー。
    レイ:了解です!(ころころ)4、5、6、5うーん位置的に届かないのに無駄にいい出目……。
    悠斗:あるある(笑)。
    レイ:移動して、『リカバリ』します(ころころ)4修復して情報強度が24から28になりました。
    レイ:行動は以上です!!!(涙目)
    GM:了解です。
    悠斗:おおう……では行きます(ころころ)6、5、1、3か、なら移動はせず、解析結果に『スキャミング』します(ころころ)4です!
    GM:成功です。解析では敵ファミリアのカテゴリが確認できなかったことがわかります。
    GM:そしてこのとき、解析結果が攻性プログラムへと変化します。「トロイの木馬」タイプのウイルスが仕込まれていたようです
    悠斗:「な、なんだ!?」
    アラン:「うーん、初手でそんなもん引くとは……ツイてるな、ボーイ!」
    悠斗:「ええっと、どうすれば……(あたふた)」
    GM:この攻性プログラムをデリートすれば残りの情報がわかります
    悠斗:ひい、難易度高くなった(目標値10を見ながら)
    GM:これは情報強度なのでダメージで削れますよ。
    悠斗:あ、なるほど。次ターンは「たすけて~ばるばろ~す!」ですね。
    悠斗:でもこのターンはウィザードコマンド使ってるので攻撃できませんね……『リカバリ』だけしておきます(ころころ)5修復、情報強度が51になって終了です。
    GM:ピクシーどうぞ
    アラン:はーい(ころころ)6、3、2、1
    アラン:2ならいける! 移動せずに「事件ファイル」に『スキャミング』します(ころころ)3!
    GM:事件ファイルAが解放です。昨晩の被害者は豪田大河、鳥井狩威、牧真吾の3人。容体はそれぞれ死亡、重症、軽症ということがわかります
    GM:事件ファイルAが事件ファイルBに変化しました。目標値が1上がります
    アラン:はい。では『リカバリ』します(ころころ)2修復、ピクシー14になって行動終了です。
    GM:攻性プログラムの行動です。排除指令を発動! バルバトスに11ダメージです! あれ?
    GM:回避判定宣言しますか?
    悠斗:うーん、回避しよう!
    GM:攻撃側はDEX分の出目の合計値、回避側はAGI固定値+LUC分の出目の最大値で対抗ロールです(ころころ)8以上で回避ですね。
    悠斗:よーし(ころころ)10だ、回避!
    GM:回避成功です。これでターン終了、第1ラウンドも終了です
    レイ:さくさくいきますね。
    GM:ネットに潜っているのでね。
    アラン:一人闘っているけどね。
    GM:では第2ラウンドどうぞ!
    レイ:先に行動して大丈夫ですか?
    悠斗:いいですよー
    レイ:分かりました!(ころころ)3、4、3、3。まず移動して、生徒SNS(A)に情報収集判定をします。『子曰く』の効果で、〈プロパティ:高校生〉には自動成功です。多分。
    GM:生徒SNSは高校生属性なのでOKです。
    GM:昨夜の被害者の3名はいじめの主犯格として悪名高く、1年前からは中嶋淳史という生徒をいじめていたということがわかります
    レイ:了解です。
    GM:生徒SNS AがBに変化し目標値が1上がります。
    レイ:分かりました。次に、攻性プログラムに念のため『ジャミング』します。1ラウンド後まで情報強度が修復できなくなります。
    GM:了解です。
    レイ:あとは『リカバリ』します(ころころ)1うーん!! 情報強度が28から29になりました。行動は以上です。
    悠斗:ではバルバトス行きます(ころころ)6、4、2、4。移動はなし、攻性プログラムに『クラッキング』、6ダメージです。
    GM:受けます。
    悠斗:『オーバークロック』してターンを終了します。
    悠斗:「バルバトス頼んだ!」ってことで次どうぞー。
    アラン:「悠斗くん頑張っているなあ」では(ころころ)5、1、2、5。移動はせずに、『情報収集C』を発動します。効果は次ターン開始時まで続きます。
    アラン:「事件ファイルB」に『スキャミング』だ!(ころころ)4!
    GM:成功です。
    GM:1年前で隣のS県で起きた事件に今回の事件が酷似していること。その事件では最後にワーウルフと犯人と思しきファミリアの戦闘が記録として魚拓されていることの2点がわかります
    GM:事件ファイルはすべて暴いたので消滅します
    アラン:「うん? ワーウルフですかい……」呟きつつも『リカバリ』しますね。4修復し、ピクシー(18)になって行動終了です。
    レイ:え、18歳のピクシー?
    悠斗:普通にアリだからセーフ。
    GM:では攻性プログラムの行動です。バルバトスに『排除指令』14ダメです。出目がいいな。
    悠斗:回避するよ!
    GM:対抗ロール!(ころころ)7以上で回避です!
    悠斗:避けろ!(ころころ)7!
    GM:受け手有利なのでギリ回避です!
    悠斗:わーい!
    アラン:さすが!
    レイ:さすが主人公!
    GM:攻性プログラムの手番が終了で、第2ラウンドも終わりですね。
    悠斗:回避判定って回避側が不利だけど、バルバトスはステータス的によけやすいのよね。
    GM:では最終ラウンドどうぞ!
    悠斗:ワイバーンどーぞー。
    レイ:分かりました!!(ころころ)2、5、3、2なので移動はなしで、生徒SNS(B)に情報収集判定をします! 『子曰く』で自動成功です。
    GM:1年前に鳥井がS県から転入してきたことがわかります。
    GM:生徒SNSはすべての情報を暴かれたので消滅します。
    悠斗:SNSの消滅!? 世界と隔絶してしまう……!
    GM:取れるだけの情報を取ったので……。
    レイ:「ふぅん、1年前からいじめ、ね。こいつら、その事実を知りながら告発していなかったのか? 『雄弁は銀、沈黙は金』とは、よく言ったものだな」
    レイ:また攻性プログラムに『ジャミング』しておきます。1ラウンド後まで情報強度修復不可です。あとは『リカバリ』しますー。情報強度が29から35になりました。行動は以上です!
    悠斗:ではバルバトス行きます(ころころ)6、2、6、2、4クリティカル! 3を追加します!
    GM:お、クリティカル!
    悠斗:やったね! まあ『クラッキング』なんですけどね、6ダメージ。
    GM:攻性プログラムやられます。
    GM:何かラグのようなものが発生していたことから、姿かたちが偽装されているかもしれないということがわかります。
    悠斗:「ありがとうバルバトス。……ラグ? 偽装か……どういうことなんだろ」
    バルバトス:「フッ……地の利はこちらにあったな」
    アラン:「すごいっすねえ、バルバトス」
    悠斗:「全部攻撃避けるんだものなぁ……俺も見習わないと」
    悠斗:あ、ターン終了です。
    GM:次の方どうぞー。
    アラン:はーい(ころころ)6、2、1、2ですね、移動して『リカバリ』3修復。ピクシー(21)ですね。次にバルバトスを『祝福』します。情報強度を2修復です。
    悠斗:了解です、ありがとう。
    アラン:「勝利祝いっす。本職の祝福を受けなせー」
    アラン:で、行動終了です。
    GM:これで最終ラウンド終了ですね。

    GM:フェイズ間処理をお願いします。1D6の情報強度修復です。
    悠斗:2か。バルバトス、祝福も受けたので55に。
    レイ:3修復して35から38になりましたー。
    アラン:5なのでピクシー26です。徐々に丈夫になっていきますね。
    GM:そしてフェイズ終了時のRPお願いします。
    悠斗:(SNS情報をもらって)「淳史……やっぱりお前……」
    アラン:「学校ってのは怖いっすねえ」
    悠斗:「大丈夫ってなんだよ、ちっとも大丈夫じゃないじゃんか……!」
    レイ:「そっちは色々とごたごたしていたみたいだけど、何はともあれ、首尾よく事を終えられたようでよかったよ……中嶋淳史くんというのが、風見くんの友達かい?」
    悠斗:「はい、そうです。最近、怪我の跡とか酷くて気にしてたんですが、何を聞いてもはぐらかされるばかりで……」
    アラン:「穏やかじゃない話ですわー。まあお友達には言いづらいってのはわかりますがね」
    ピクシー:ファイトー (・ワ・)
    レイ:「そうだったのか。中嶋くんは君に、いじめられていることを隠していたんだね。……彼に対する主犯格3人の行いは、『いじめ』という言葉の皮を被った卑劣な犯罪に過ぎないが、その3人が昨夜の被害者というのが気にかかるな」
    悠斗:「……あいつは、あいつはそんなことしないと思います……具体的な根拠なんて示せませんけど」
    レイ:「ああ、中嶋くんを疑っているように聞こえたのなら申し訳ない。ただ、いじめの主犯格3人が一度に襲撃された事実からしても、中嶋くんに対するいじめが、今回の事件と関与していると考えられる」
    悠斗:「ああ、いえこちらこそ……そうですね、関係ないとはいいきれないでしょうね(デバイスを見ながら)」
    アラン:「こちらとしては昔『ワーウルフ』がこの事件の犯人と闘ったってのが気になりますねえ。一年前の話なわけですけど」
    アラン:「一年前にはいったん事件は止まってたわけですし?」
    悠斗:「ワーウルフ? なんか最近聞いたような……あ、七不思議」
    アラン:「七不思議」
    レイ:「七不思議というのは?」
    悠斗:「関係あるかは知りませんけど、最近学園の七不思議に狼男が追加されたとかなんとか」
    アラン:「白虎ではなく、狼男なのか……まあ一般人にファミリアは視えないわけで、どこまで関係あるものかって感じっすねえ」
    レイ:「もしかしたら、戦闘記録にあったラグと関係しているのかもしれないな」
    悠斗:「そうですね、どっちかが偽装された姿なのかもしれない」
    アラン:「そういうコマンドもあるにはあるなあ……やっかいなことですわ。悠斗くん、この学校には他のユーザーいたりしません? 偽装できそうなの従えてるの」
    悠斗:「……。昨日の今日で他の人とかわかりませんけど、俺のデバイスにSikiを入れたのは中嶋なんじゃないかと思います」
    アラン:悠斗くんをまじまじと見つめて「ほう?」
    レイ:「中嶋くんからは、それがどういったものなのか、何も聞かなかったのかい?」
    悠斗:「昨日、あいつが俺のデバイスに何かしてたみたいなんですけど、その時はよくわからなくて。これについても、やっぱり何も教えてくれませんでした」
    アラン:「中嶋くんかあ……その子と、あと軽傷で済んだ子に話を聞きたいところ。重傷だって子はちと厳しいですかね?」

    GM:と、いうことでこのへんで調査フェイズは終了です!
    GM:RPはここまでにしておきましょう
    悠斗:推理RPの収束難しい
    レイ:延々話せちゃいますねー……
    GM:次はクライマックスです! 気合い入れていきましょう!

  • 4. クライマックス・前

    GM:ではクライマックスの描写から入りましょう。準備は大丈夫ですか?
    全員:大丈夫です!

    情報収集が一段落つき、成果を確認・検討している一同。その最中、周防から再び連絡が入る
    周防:「中釘君、スピーカーをオンにして全体でやりとりができるようしていただけますか」
    レイ:「え? ああ、はい」慌ててオンにします。
    レイ:「突然連絡をよこしてくるなんて、何か新情報でも?」
    周防:「ええ、至急確認したいことができまして」
    周防は悠斗のほうへ顔を向けた。
    周防:「風見君、君の話にあったご友人の名前は『中嶋淳史』で間違いありませんか?」
    悠斗:「はい、そうです」
    周防:「風見君、落ち着いて聞いてください」
    悠斗:「なん、でしょう」
    周防:「……たった今、D市警察署から連絡がありました――中嶋淳史という生徒が、遺体で発見されたそうです」
    悠斗:「…………え……」
    アラン:「What!!??」
    レイ:「なんですって!?」
    悠斗:「……あつし、が」
    周防:「自室で多量の睡眠薬を摂取したことによるものではないかと報告がありました。また、机には遺書があって『いじめの報復として三人を襲った』という旨が記されていたそうです」
    悠斗:「……うそだ、そんな……あいつはそんなこと……」
    周防:「筆跡鑑定では間違いなく中嶋淳史のものだという結果が出ています。確かに動機としてはこれ以上ないでしょう」
    悠斗:「……するわけ、ない。あいつがそんな理由で人を傷つけるはずがない。だって、俺の知ってるあいつは……」
    アラン:「でも遺書まであるんすか……うーん」
    レイ:「自殺なんて、そんな馬鹿なことがあるものか。中嶋くんが本当に自ら死を選んだのだとして、3人を襲った確かな証拠がなければ、中嶋くんが犯人であるという結論を導くのは早計すぎるのでは?」
    アラン:「普通の捜査じゃ証拠なんて出るはずがないっすからねえ、難しいところですわ」
    周防:「ええ、ですが中嶋君の部屋に残されていたデバイスを解析したところ、出たのですよ」
    アラン:「何がっすか?」
    周防:「彼がSikiユーザーであろう痕跡が、ね」
    悠斗:「……」デバイスを強く握りしめる。
    周防:「内部データはあらかた破壊されていましたが、残存する一部からファミリアデータをサルベージすることができました……彼のファミリアは、おそらく白虎です」
    悠斗:「白虎…………」
    周防:「ええ、昨夜君たちが戦った相手ですね」
    悠斗:昨日の白虎と襲われてた人達を思い出して黙り込んでしまう。
    アラン:「あの場にいた、ってことっすかね……」
    レイ:「確かに、あれはどう見ても白虎でした。しかし……」
    アラン:「情報取れなかったのがここにきて痛いなあ、面目ない」
    周防:「中嶋君の死はまだ外部に明かしていません。連続傷害事件が起こっている学校の生徒から自殺者が出た、しかも自分がやったという遺書があったともなれば、捜査はその方向で終わりになってしまいますからね」
    レイ:そうか、ファミリアのことがなければ普通に犯人の自殺でしかないのか
    アラン:ミステリ的に怪しすぎる自死ですわ。素直に従いたくなーい。
    レイ:そうなんですよね、昼ドラなら絶対に犯人じゃあない。
    周防:「そこで中嶋君をよく知っているであろう風見君、君の所感を伺いたいのです――この中嶋君の死、君はどう考えますか?」
    悠斗:「俺は……俺は、やっぱり違うと思います。周防さんのおっしゃる通り淳史のファミリアは白虎で、昨日俺が見たのもそいつだったかもしれない。でも、遺書……それだけは変だと思います。あいつはそんな、報復なんて考えるような奴じゃありません」
    周防:「そうですか。状況証拠がこれだけ揃っていても、君は友を信じられるのですね……」
    悠斗:「どうでしょう、信じたいだけかもしれません」
    ピクシー:「友を信じるは尊き資質。私はそれを しんじよう (・ワ・)」
    アラン:「!? こいつがこんなことを言うなんて……」
    レイ:「こればかりは悔しいが、ピクシーの言う通りだ。そういうことが言えるのは、魂が高潔な人間だけだよ。例え友人が君を裏切ったのだとしても、君は自分の清い精神を誇っていい。その誇りは虚栄ではないはずだから」
    悠斗:「……ありがとうございます」
    周防:「まあ、私としても引っかかっていることがあるのは事実です」
    アラン:「ふむ、それはなんです?」
    周防:「もし中嶋君のファミリアが白虎で、昨夜君たちと戦ったとして、なぜ白虎は風見君を襲ったのでしょう」
    アラン:「ああ、それは確かに疑問っすね」
    レイ:「……確かに。風見くんが白虎に襲われるより前に3人は襲撃を受けていたのだから、それで復讐は終わったはず。わざわざ風見くんを襲う必要はない」
    周防:「そして白虎に生じていたラグの原因も、データの解析を妨害するようなプログラムの混入も謎のままです」
    レイ:「姿かたちの偽装、ですね」
    ピクシー:「ビャッコ のーきん そんなスキル あるかー?(・ワ・)」
    アラン:「そも白虎の姿を白虎に偽装するのはおかしい、っすよね?」
    周防:「ええ、ゆえにこう考えれば筋が通るのですよ。白虎は偽装された姿であり、本当は別のファミリアである、とね」
    レイ:なるほど、という雰囲気で腕を組んでいます。
    周防:「そしてそのファミリアの能力を用いて、犯人は妨害や攪乱を仕掛けている、と」
    アラン:「何の証拠もねーですが、納得できちまいますな」
    悠斗:「でも、なんで淳史のファミリアに偽装して……」
    ピクシー:「みため つよそー(・ワ・)」
    悠斗:「な、なるほど……?」
    周防:「……アランさんのおっしゃる通り、これは何の証拠もない憶測にすぎません。しかし逆に言えば、証拠があれば十分成立する仮説ですよね?」
    アラン:「そうっすね」と頷きましょう。
    悠斗:「なにか、あるんですか?」
    レイ:「全く、周防さん。ほとんど確信を持っているんでしょうに、あなたもお人が悪い。ですが間違いなく、犯人はさらに陰険な性根の持ち主でしょうね」
    周防はにやりと笑い、一同を見遣った。

     = = = = = = = = = = = =

    場所は移り変わり、応接室。中庭に臨むその部屋で、一同はある人物を待っていた。周防がどちらにせよ、最後に残ったこの事件の重要参考人を聴取する必要がありそうだと語ったためだ。

    周防:「実は皆さんに連絡を取る前、鳥井君を応接室に呼び出すよう手配しました。中釘君にアランさん、あなた方は昨夜の事件を調べに来た警察関係者ということで鳥井君から事情聴取をお願いします」
    レイ・アラン:「はい」
    周防:「そして風見君は事件の第一発見者として同じく事情聴取をされているということで」
    悠斗:「えぇ……?」
    周防:「嘘は言ってないでしょう?」
    などと言う周防の顔は満面の笑みであった。
    悠斗:「周防さんはああ言ってましたけど、俺がいてもいいんですかね」
    レイ:「なに君も味方なんだ、大丈夫さ。それに周防さんがいいと言ったのだから、責任は周防さんがとってくれる」
    悠斗:「え!? 大丈夫ってそういうことなんですか?」
    レイ:「うむ、きっと万事抜かりないだろうな」
    アラン:「それよりさあ、警察ってことはスーツとかのほうがよくないかな。私神父服なんだが大丈夫? ジャパン警察ならありかね」
    レイ:「君は教誨師だとでも言えばいいだろう。全く、バチカンの神父が警察関係者を騙るとは、世も末だな……」
    悠斗:「というか警察関係者って言われて外国の人がいる時点で普通驚きますね……」
    アラン:「マジかー……え、その判定だとレイさんもヤバくない?」とレイさんの金髪を見ます。
    レイ:「……まあそれはそれだよ。僕はそれほど浮いてないよ、多分」
    悠斗:「むしろこの人数だと日本人の俺が浮いてる気がするんで大丈夫ですよきっと」
    ピクシー:「ふははは(・ワ・)」
    そのとき、応接室のドアがノックされ、鳥井が入ってきた。
    アラン:小声で「まずい、戻れピクシー!」
    レイ:はじめから戻しておけ……。
    鳥井:「あの、ここに来いって言われたんですが……あ、合ってます?」
    レイ:「ああ、君が鳥井狩威くん……だね。ご足労いただき申し訳ない。そこに座って。それほどかしこまらなくていいよ、正直に話してさえくれればすぐに済む」にこりと微笑んで告げましょう。
    鳥井:「そ、そうですか……」
    悠斗:妙に怖く感じるのですが。
    アラン:確かに。
    鳥井:「話って、昨日の夜のことですよね、それなら病院で大体言ったと思うんですけど……」
    レイ:「何度も嫌な記憶を思い出させてすまないね。ああそうだ、もう怪我はいいのかい?」
    鳥井:「え、ええ……オレ、いや、僕は大したことなかったみたいなので、あとの二人に比べれば……ってところでそっちの生徒は? この件の関係者ですか?」
    悠斗:「え、いや俺は……」精一杯の困惑顔のふりをします。
    アラン:「いや、単に昨晩居合わせた子だよー。さっきまで事情聴取されてたんだわ」
    鳥井:「そ、そうか……それならいいんだ。悪いな、変なこと言って」
    レイ:「転入してきて早々に巻き込まれた災難な子だよ。そうだ、転入といえば2人とも、D市での暮らしはどうだい? 前に住んでいたところよりは楽しいのかな?」
    鳥井:「前? ああ、1年前までのことか……え? それとこれとは関係ないだろ!?」
    悠斗:「ええと、そうですね。俺は元はこの街生まれなので、戻ってこられて嬉しいです。友達にも再会できましたしね……君も転校生だったのか」
    鳥井:「あ、ああ。一年前S県からこっちに越してきたんだよ……」
    悠斗:「そうか、どうりで知らない顔だと思った……って言ったら失礼かもだけど」
    鳥井:「オレ、僕にとっちゃ1年も前のことだからな……」
    アラン:「おー、S県にいたのかー。私も一年前はS県でお仕事してたよー」
    鳥井:「そ……そうですか……」
    レイ:「それは妙な縁があったね。ただ僕はあいにく、日本の地理に疎くて……S県というと、そうだな。あそこでも確か、物騒な事件が起きていたんだったか。ちょうど1年前に」
    鳥井:「……覚えてないな」
    アラン:「あれま。なかなか大きなニュースになったというのに。まあ私はそれからすぐ異動になったけど」
    鳥井:「あ、あんまりニュースは見ないんで……」
    レイ:「へえ、それは残念。だが事件自体は興味深いな。僕はその時はまだ日本にいなかったから。結局その事件の犯人は捕まったのか、ご存知ですか? ドロワーズさん」
    アラン:「いいえ? 迷宮入りというやつですわ。今どうなってるかまでは知りませんがー」とカラカラと笑います。
    悠斗:「それは、怖いですね」
    鳥井:「……話が終わりなら帰っていいですか?関係ないですよね、その話」
    アラン:「そだった。世間話に呼んだわけじゃなかった」
    レイ:「おっと、ちょっと待って。僕たちがずっと、君に『きっかけ』を提供し続けていることに気付いていないのかい?」とここまで情報整理。
    悠斗:助かります。
    鳥井:「きっかけ? な、なんですか急に」
    レイ:「最初に言っただろう、『正直に話してさえくれればすぐに済む』と。君をこの部屋に留め続けているのは、我々ではない。気付いていないのか? それは君自身だよ、鳥井くん。君の不正直と、不道徳さだ」
    鳥井:「――ッ!」ガタッと立ち上がります。
    悠斗:レイさんうまいなあ、さすがだなあ。
    アラン:(何のことだ……?)
    鳥井:「ひ、人を呼び出しておいて、その言い草はないんじゃないですか……! こっちは昨日襲われた被害者なんですよ!?」
    レイ:ふむ。
    鳥井:「そ、それをまるでオレが、は、犯人みたいに……」
    悠斗:レイさんマジかっこいいっす……!!
    アラン:頑張れレイさん!
    レイ:マジで死にそうなんで助けてください!!! PLの心はよわい……。
    悠斗:上手く話に混ぜれなくてまかせっきりにしてるの申し訳ないと思ってはいるんだけど……。
    レイ:いける、いけますよ!! 引導を渡しました……(???)鳥井くんゆさぶってください!!! だれか!!!!
    アラン:じゃあいくか!「まあ、そうだねえ。ごめんね。とにかくお座りよ、昨晩のことを聞かせておくれ」と優しく声を掛けます。
    鳥井:「いや、そっちがそのつもりならオレは帰らせてもらいますから!」
    アラン:「あらら。こちらとしてはどんな奴に襲われたかだけでも聞きたいんすけど……悠斗くんの話だけじゃいまいち犯人像がつかめなくてですねえ。動物に襲われたっぽいんですけど、見ませんでした?」
    鳥井:「そうだよ!オレは被害者なんだ!」
    GM:グッドコップとバッドコップってやつだこれ。
    レイ:グッドコップのターンは任せました……!!
    悠斗:「……なぁ、お前」
    鳥井:「……」
    悠斗:「……お前、昨日襲われた他の二人と仲良かったんだってな」
    鳥井:「……だから何だってんだよ!」
    悠斗:「それで、そいつらと淳史のこといじめてたってのは本当か?」
    アラン:「……あ、悠斗くん? それはしぃーです、しぃー」(フリ)
    レイ:しぃーです(いいぞもっとやれの意)
    鳥井:「……っし、しらねえよ、そんなこと……!」
    悠斗:「……まあ、SNSで見た噂だからどこまで本当かはどうでもいいけど。でも、あいつが最近怪我ばっかりだったのも、お前らのせいだとしたら説明がつくんだよな」
    鳥井:「……」
    レイ:スススと出入り口のほうへ動いておきましょう。
    アラン:抜かりないな、さすが。
    鳥井:「そんなこと……ねえよ……」
    悠斗:「じゃあ説明しろよ、なんであいつは最近怪我ばっかで、いつも辛そうにしてたんだよ。なんでお前らが三人そろってまるで狙われたかのように襲われてたんだよ!」
    鳥井:「……し、仕方なかったんだ……あいつをやらなきゃ、今度はオレがやられてた……」
    ぶるぶると震えだす鳥井を前に、悠斗はただ静かに佇んでいる。
    鳥井:「そ、そうだ……! これは自己防衛だ……! オレは悪くない……オレは、」
    悠斗:「……」
    鳥井:「それに、オレらが狙われたってことはどうせあいつがやったんだろ!!」
    レイ:ニヤニヤしながら攻防を見守っておりまする。
    アラン:いつ突っ込む?(ウキウキ)
    レイ:ステイステイ! まだだっ!
    鳥井:「そうだよ、あいつだよ犯人は!」
    悠斗:「もしも本当に、あいつが犯人だったら……どうしてお前だけ軽傷なんだろうな」
    鳥井:「知らねえよ!たまたまだろ! う、運が良かったんだよ」
    悠斗:「運、か」
    鳥井:「あのときオレは白い虎に襲われて……そうだ! そいつはきっと中嶋が操ってたんだ! そ、そうに違いないんだ!!」
    ピクシー:「ほうほう(・ワ・)」
    鳥井:「うわあ!? な、なんだこいつ!?」
    レイ:ちょ、アランさんピクシー出てる(笑)。
    鳥井:「……あ。な、なんでもない!」
    アラン:「あれまー。フフフ、『貴様、見ているな』ってね」
    鳥井:「きゅ、急用を思い出した!帰らせてもらう!」
    アラン:「いやあ、それは通らないっすわあ。分かってて言ってるんでしょーが」
    鳥井:「……ッ!」
    扉へ向かおうとする鳥井。そこにはすでに中釘レイが立っていた。
    レイ:「……七不思議」
    鳥井:「え……?」
    レイ:「鳥井くん、この学校の七不思議は知っているかい?」
    鳥井:「なんだそれ、そんなの知るかよ」
    レイ:「それは人生、損をしているな。この世の中には、摩訶不思議なことがたくさんある。七不思議も、そこのピクシーもそうだ。多くの人々はその存在を知らないが、君は知っているはずだ」
    ピクシー:「クスクスクスクスクスクス……(・ワ・)」
    鳥井:「……な、なんのことだか」
    レイ:「友情は尊い、だが微笑みかけてくる人間全てが友ではない……君はこの事件の結果に満足してるかい? 君は君自身に、満足している? ファミリアは君自身の力ではない、究極的には手段に過ぎないだろう……君自身が強くなったわけじゃあないんだ。分かるかい?」
    鳥井は俯いて顔に手を置いた。
    鳥井:「チッ、今のは致命的だったな。怯える少年を意識していたのが仇となったか……」
    悠斗:「……」
    鳥井:「まったく、中嶋を犯人に仕立て上げてうぜえ豪田と牧を排除したはいいものの、とんだ邪魔が入っちまった……この分だと、あの偽装もバレてるんだろうな」
    アラン:「またえらく豹変するものですねえ」
    レイ:「初めからそうしていれば、話は早かったのに」
    悠斗:「…………こんな奴のために、淳史は死ななきゃならなかったのか?」
    鳥井:「覚悟を決めたんだよ――てめえらをぶちのめす覚悟をなあ!!」
    鳥井は悠斗のほうへ走り出すと、そのまま素通りして、窓を勢いよく割った――自ら中庭へと飛び降りて。
    アラン:「ええ!? そこで逃げるのかあーー!?」
    地面に激突する間際、鳥井はデバイスを取り出す。地面が光ると白虎が姿を現し、鳥井の着地を助けそのまま校庭へと走り出していった。
    悠斗:「――そんなの、許せるかよっ!!」割れた窓から同じく飛び降りて追いかけます。
    悠斗:「バルバトス、着地は任せた!」
    アラン:「いきますよ、ピクシー!」と飛び降ります。
    レイ:私もワイバーンに乗っかって追いかけますね!
    レイ:「ああ全く、結局こうなる!」
    校庭にたどり着くと、傍らに虎を佇ませた鳥井が、夜空に浮かぶ満月を見上げながら声をかけてきた。
    鳥井:「……この学校の七不思議ってやつはよぉー、どーやら好きな奴が多いらしいなぁ。お前はどうだ、風見ぃ。詳しい方かぁ?」
    悠斗:「……更新されてばっかで、全部はとても覚えられないけどな。多少は知ってるよ」
    鳥井:「じゃあさ、狼男のやつは知ってるか? 最近できたみたいだがよぉー」
    悠斗:「ああ。まあ昨日聞いたばかりだからな」
    鳥井:「狼男ってさ、満月だと凶暴だって言うだろ?」
    悠斗:「……満月だけ狼になれる、とも言うな」
    鳥井:「じゃあさ、この白虎が狼になったら、面白いと思わないかぁー!?」
    アラン:「マジ……? マジで言ってるんすかコイツ……!?」
    悠斗:「……別に。お前がなんだろうと、淳史を殺したのはお前だってことは変わらないんだろう」
    鳥井:「おいおい、そんなカッカするなよぉ、もっと楽しもうぜ? あははははは」
    ピクシー:「あははははは(・ワ・)」
    鳥井:「うぜえな、そいつ」
    アラン:「すまん」
    レイ:「はは、そうカッカするものではないさ、と言っておこうかね。楽しみたいとのことだが、君が『楽しさ』を感じることはできないと予告するよ。そうだろう、悠斗君?」
    悠斗:「はい。何にせよお前が満月に吠える獣だというのなら。狩りの時間だ……バルバトス!」バルバトスを召喚します。
    バルバトス:「虎や狼風情で、私の覇道を阻むことなどできんよ。いや、私たちの、だったな?」
    悠斗:「あぁ、俺達の行く道に、人を襲う獣なんて、いらない」

  • 5. クライマックス・後

    GM:クライマックス戦闘開始です!! このフェイズでは同一ターン中にウィザード・ファミリア両方のコマンドが使えます。目標は白虎(情報強度50)を倒しきること。制限ラウンド数はありません。よろしいでしょうか?
    全員:はーい。

    GM:白虎の初期位置はD6です。皆さんの初期位置を決めてください。
    レイ:E3あたりにいましょうかね。
    悠斗:じゃあ正面に行きます、D2です。
    アラン:きれいに並ぶかな、C3だ。
    GM:OK、ではさっそく始めていきましょう
    GM:今回は白虎から先に行きましょうかね(ころころ)4、5、5、1です。
    GM:D5に移動して15すべて使って『???』を発動! フェイズ間STRとAGIが1ずつ上昇し、白虎の見た目が人狼に変化します! 白虎のタグがワーウルフに変化しました。
    鳥井:「ははっ、白虎が狼男になっちまったな! これが『狂狼化』さ! ほら、楽しんでいこうぜぇ?」
    悠斗:「なんだって!?」
    GM:これで白虎、改めワーウルフの行動は終わりです、次の方どうぞ。
    悠斗:今回の戦闘は基本レイさんワイバーンペアからの行動でいいですかね。
    アラン:OKでーす。
    レイ:わかりました。では、おらぁ!(ころころ)1、6、6、4!
    GM:クリティカル! 10面1個振ってください。
    レイ:わーい(ころころ)3追加ですね。
    悠斗:まずまずですね。
    レイ:ではまずE4に移動し、ワーウルフに『翼撃』します。ワイバーンは飛行状態になり、ワーウルフは回避しなければ6ダメージ入ります。
    GM:受けます。
    レイ:お二人はワーウルフに移動して欲しいとかあります?
    悠斗:どちらでも大丈夫です!
    アラン:特にないですー。
    レイ:じゃあ適当に、ワーウルフをD5からD4に移動させときますね。
    鳥井:「なにっ、吹き飛ばされただと!?」
    レイ:「軽いなぁ!」
    レイ:次にワーウルフに『亜竜の魔眼』を、1ラウンドの間、〈BS:拘束〉になります。
    鳥井:「くっ、動け、ワーウルフ!」
    アラン:反応がいいなあ、この前とは大違いだ。
    悠斗:もう隠す必要がないからですかね。
    レイ:最後にオーバークロックします。
    レイ:「月下獣を装ったワーウルフ……文学的というより、悪趣味だな。君の腐った性根が透けて見えるようだよ」
    鳥井:「なんだとぉーー!!」
    レイ:ということで行動終わりです!
    悠斗:ではバルバトス行動させます(ころころ)2、1、3、2、あっれー?
    アラン:おっとっと。
    悠斗:ではD3に移動して、『オーバークロック』しつつ『スキャミング』します。
    悠斗:「そもそも白虎は淳史のファミリアだったんじゃないのか? なんでお前が」というかんじで。
    GM:『スキャミング』、目標値は4です。
    悠斗:はい(ころころ)6、成功!
    GM:クリティカルなので、敵ファミリアのステで知りたいことを何でも1つ、開示しますよー。
    悠斗:何がいいかな……皆さんどれ知りたいとかあります?
    レイ・アラン:アライメントですかね。
    悠斗:ではアライメント聞きます!
    GM:ほほう。アライメントは中立・悪です。正確に言うと中立・悪(変容)みたいな感じですね。
    悠斗:悪ですか、そうですか。
    レイ:「変容とはなんだ……?」
    アラン:「やったぜ」(ニヤリ)
    悠斗:なるほど、有効に使えるといいですね。じゃあ僕の行動は終了です。
    アラン:ラウンドの最後はこの私!(ころころ)1、4、6、2。
    アラン:ワイバーンとバルバトスに『妖精の粉』をかけます。次の判定の達成値+3です。
    アラン:追加効果で『リカバリ』、対象は自身になります。5修復してピクシー(31)ですね。『オーバークロック』して行動終了です。
    ピクシー:「しあわせのこなー(・ワ・)」
    レイ:「それは警察や健全な学生が服用して大丈夫なものなのか?」
    アラン:「モチロンデスヨー」
    GM:はい、では1ラウンド目終了です。処理が特になければ2ラウンド目に入りますが大丈夫ですか?
    全員:大丈夫です。

    GM:では2ラウンド目、ワーウルフのターンからです(ころころ)4、5、5、1。
    GM:ですが拘束で行動できません。そのままターン終了で拘束解除です。
    アラン:悲しいなあ。
    GM:敵も学習するので、次は避けますとも。
    悠斗:ならよかった。
    レイ:では行きますー(ころころ)2、5、6、1、2。
    レイ:まずワーウルフに『翼撃』します。 6ダメージです。移動はなしで。
    GM:受けます。
    レイ:次に『クラッキング』5ダメージ入ります。
    GM:受けます。
    レイ:「たたみかけろ、ワイバーン!」
    鳥井:「っく、なかなか痛ぇなあ」
    悠斗:すごい喰らってるしなぁ。
    レイ:コストが余った、最後に『亜竜の魔眼』もしておきましょう。回避されたらされたで()
    GM:とりあえず回避だー!
    アラン:がんばれー!
    レイ:ふっ(ころころ)5、6で11ですね。
    GM:……(ころころ)3、5、5、6、3。回避できませんでした。くらいます。
    レイ:では次ラウンド終了まで〈BS:拘束〉です。
    悠斗:学習する(回避できるとはいってない)。
    レイ:行動終了です!
    悠斗:ではバルバトス行動します(ころころ)2、5、4、6、1。
    悠斗:移動はなし、『角笛の音と共に』でユニットを2体召喚!
    レイ:「ここにきて増援を呼ぶとは、徹底的に叩き潰すという『覚悟』を感じるね」
    悠斗:『千里眼』で範囲伸びてるのでD5とE3にそれぞれ配置。『オーバークロック』しつつ『クラッキング』で6ダメージです。
    GM:くらいます。
    バルバトス:「動かぬ相手を射ることなど、たやすい」
    悠斗:「さすが……でも油断はしないでいこう」
    アラン:「相変わらずニュービ―とは思えぬ肝のすわり様」
    鳥井:「舐めやがってぇ……!」
    悠斗:ではターン終了です。
    アラン:ピクシーいきます(ころころ)5、2、6、1、1!
    アラン:C2に移動してワイバーン、バルバトス、ユニットa2に『妖精の粉』を使用します。次の判定の達成値+3です。追加効果で『リカバリ』です、6修復。
    レイ:なかなか丈夫になってきたじゃないか。
    アラン:そしてワーウルフに『悪戯』します。E4に移動して2点ダメージです。
    GM:はい。そのまま通ります。
    ピクシー:「ふぅーははは(・ワ・)」
    悠斗:ピクシー……
    アラン:行動終了です。

    GM:では3ラウンド目です。ワーウルフからです(ころころ)1、3、3、1。
    GM:ですが拘束で行動できません。そのままターン終了で拘束解除です。
    悠斗:まあ今回は出目も振るわなかったですし。ね。
    GM:行動終了、拘束解除です。
    レイ:ではいきますー(ころころ)6、5、5、2!
    アラン:出目がいいなあ!
    GM:怖いなあ!
    レイ:ワーウルフに『翼撃』で6ダメージ、『クラッキング』で5ダメージです。
    GM:くらいます。
    レイ:出目よかったので……最後に亜竜の魔眼で()
    GM:判定だぁ!
    レイ:(ころころ)8、うーんこれはよけられそうだ!
    アラン:がんばれワーウルフ……!
    悠斗:さすがにもう避けてほしいですね!
    GM:(ころころ)11です。
    GM:よけた。
    レイ:よかったです!(???)
    悠斗:敵ながらよかった……。
    レイ:では行動終了ですー。

    戦闘はますます激しさを増してきた。そんなおり、突如としてワーウルフの見た目が白い狐へと変化した。
    鳥井:「なっ……!? よくも、この姿をさらさせてくれたな……」
    悠斗:「どういうことなんだ……?」
    アラン:「さらす。『それ』が本当の姿ですかい?」
    鳥井:「チッ、もどれ、白虎だ!!」
    狐のファミリアはふたたび白虎へとその姿を変えた。
    レイ:「ファミリアの姿さえ、嘘で塗り固めていたとは」
    鳥井:「だまれだまれだまれ!! お前らごときにぃ……!」
    アラン:「ははは。その姿、どこから持ってきたんですぅ?」
    レイ:「満足するまで見せてくれよ、君のその『白虎』とやらの力をさ」
    鳥井:「クソッ、クソクソクソクソォッーー!!!」
    悠斗:「……」うるさそうに顔をしかめます。

    GM:白虎死にそうですが次の人どうぞー。
    悠斗:はーい(ころころ)6、3、5、2、5。
    悠斗:バルバトスはD4に移動、『角笛の音と共に』でユニットをさらに2体召喚します。召喚したユニットはD6とD2に配置です。
    アラン:容赦なくユニットを置いていくぅー!
    悠斗:そして『クラッキング』で6ダメージ!
    GM:うけます。
    悠斗:ではさっきのターンで召喚したユニットa1をD5からE5へ。このユニットは1D6ダメージを与えます。4ダメージです。
    悠斗:そしてE3のユニットa2も攻撃! 1ダメージです。
    鳥井:「ぐぅ、なかなか痛ぇじゃあないか!」
    悠斗:行動終了です。
    アラン:ではピクシーいきます(ころころ)2、3、4、2。
    アラン:C3に移動して白虎、ワイバーン、バルバトスに『妖精の粉』を振りかけます。次の判定の達成値+3ですー。
    レイ:うん、白虎にもかい?
    アラン:ええ。追加効果で白虎を『スキャミング』します。
    GM:4でどうぞ。
    アラン:はーい(ころころ)6!
    GM:クリティカルなんで以下略。何を知りたいですか?
    アラン:じゃあ鳥井君の現在のカルマ値をお願いします
    GM:おおよそ130くらいですね。150を超えていないので、即捕縛対象にはならない程度です。
    悠斗:その状態で一線を越えたのか。
    レイ:うーん、なるほど。
    アラン:私たちは『オーバークロック』して行動終了です。

    GM:変わらず処理はないようなので4ラウンド目ですね。
    GM:白虎から(ころころ)5、6、6、1、おおクリったぁ! 4追加されました!
    アラン:むっ、この局面でクリティカルだ!
    レイ:警戒しましょう。
    GM:移動はせず、『ダブルクロー』をバルバトスとユニットa1に(ころころ)15ダメです。避けますか?
    悠斗:ユニットは削除、バルバトスは……『緊急回避』しますね。
    GM:了解です
    鳥井:「クソッ……なんで当たらないっ……!」
    悠斗:「はやいっ……が、避けられないほどじゃないな!」
    GM:追撃します、バルバトスに『クラッキング』です。
    悠斗:もう一度『緊急回避』使いますね。
    悠斗:「狩りっていうのは如何に冷静に獲物を追い詰めるか、なんだ」
    鳥井:「だからっ、なんであたらねえんだっ!」
    悠斗:「追い詰められた獲物はそうやってより冷静さを失うからじゃないか?」
    鳥井:「クッ……」
    GM:あとは『オーバークロック』して終了です。次の方どうぞ
    レイ:よし、いくぞ(ころころ)1、2、2、3。E4からE3に移動します。
    レイ:『翼撃』で白虎に6ダメージ、追加効果で白虎をE4からD3に移動させます。
    GM:ぐぬぬ、通ります。
    アラン:「なんとか抑え込めてますねぇ」
    レイ:行動終了ですー。
    悠斗:じゃあ行動させてもらいますねー(ころころ)3、6、5、3!
    レイ:なかなかいいじゃないですかー。
    悠斗:移動なし、ここから『クラッキング』で6ダメージ!
    GM:死んじゃうので最後の『緊急回避』します!!
    悠斗:まだもってたのか……
    鳥井:「はっ、避けるのがてめえの専売特許だとおもうなよ!!」
    悠斗:「あぁ、そういえば最初に俺を襲ったときもそうやって逃げまわってたもんな」
    鳥井:「な、んだと……」
    鳥井:「お前………!!」
    悠斗:「でももうこれ以上なんて、させない。逃げ回ることも、誰かを傷つけることも」
    悠斗:とはいえバルバトス自身の攻撃方法尽きてるのでユニットが攻撃しますね(ころころ)3ダメです、通常回避します?
    GM:しますか(ころころ)こちら11です。
    悠斗:バルバトスの手駒なら当てろぉ!(ころころ)13、成功です!
    GM:くらいます。
    悠斗:思ったよりぎりぎりだな!?
    悠斗:じゃあもう一体!(ころころ)4ダメだぁ!
    GM:+を使って達成値を1上昇させ、9です!
    GM:いけるか……?
    アラン:これは、当ててくれ!
    レイ:いけぇーー!!
    悠斗:(ころころ)19、成功だぁー!
    GM:くらいました。白虎もといワーウルフもとい、白狐の情報強度は0になります。
    レイ:うおおお……!!胸熱……!!
    鳥井:「なっ、うわあああああああ!!!!」
    悠斗:じゃあバルバトスの攻撃をよけた先に手駒(ユニット)がいたということで。
    バルバトス:「フン、自らが猟犬に追い立てられてるとも知らず、よく吠えたものだ。所詮狐であったか」
    悠斗:「あぁ、これで終わりだ」
    バルバトス:「さあ、外さず射抜けよ?」
    悠斗:「大丈夫。俺にこれを教えてくれたのは、最高の狩人だからね」
    バルバトス:「――そうか、では何も言うまい」
    悠斗:「うん――!」
    悠斗:狩人のごとき鋭い目で射抜きますね(ユニットが)
    GM:ユニットの最後の攻撃が白狐に命中し、鳥井のほうへ吹っ飛んでいきます
    GM:その衝撃で鳥井は気絶、デバイスも勢いよく飛んでいきます
    鳥井:「がっ……あっ……ぐふっ」
    アラン:「おっと。ピクシー、デバイスは回収です」
    ピクシー:「がってん! (・ワ・)」
    アラン:吹き飛んだデバイスをピクシーが拾います。
    GM:デバイスは地面に落ちた衝撃でスクリーンが割れています。
    GM:衝撃でシャットダウンしたせいか、飛ばされた白狐も消えていきます。
    レイ:「これは修理待った無しだな。データが無事ならいいが」と、スクリーンを覗き込みます
    アラン:「気絶した程度で手放すなんて、なってませんなー」
    レイ:「彼には、そのあたりの自覚も覚悟もなかったということだろうね」

    GM:ってことでこのあたりでクライマックスフェイズ終了で!
    GM:いいですか?
    全員:はーい
    GM:ではフェイズ間処理ですね最後なので情報強度を初期に戻します。さあエピローグですよ!

  • 6. エピローグ

    GM:話は一週間後に飛びます。
    GM:皆さんは事件のあともろもろの処理を終えて、公安庁第六室で最後の事務手続きをしに向かいます。

    悠斗:(こんなところに入る日が来るとは)
    周防:「ご足労ありがとうございます。何度も手続きをさせてしまい申し訳ありません」
    アラン:「前々から言っとりますが、もーちっと簡単になりませんかねー?」
    周防:「いかんせん、こちらもお役所ですから」と苦笑い。
    周防:「改めて、この度は、我々公安へのご協力ありがとうございました。皆さんのお力添えで一年前から続くこの事件に終止符を打つことができました」
    アラン:「一度は迷宮入りかとも言われていたのに、感慨深いものがありますなー」
    周防:「ええ、アランさんにとってはかつての同僚が関わっていた事件ですからね」
    アラン:「ははは、奴の仇を打ってやりましたわ。草葉の影で狂喜乱舞してること間違いなし」
    周防:「それは良かったです」
    レイ:「仇討ちとはいえ、殺したわけではないがね……ないですよね?」
    周防:「ではこの一週間で判明した情報を皆さんにお伝えしておきましょうか」
    悠斗:「お、お願いします」
    周防:「鳥井君のファミリアについてですが、やはりあれは妖狐の亜種のようなものでした」
    アラン:「妖狐、アジア系の狐型モンスターですか」
    悠斗:「モンスターというか、妖怪じゃないですかね」
    周防:「家系図をさかのぼると、彼の家には伏見に通じる神職出身の血が混ざっているようでして」
    アラン:「え、神職!?」
    周防:「妖狐が彼のファミリアとして選ばれたのにも何か関係があるかもしれません」
    周防:「鳥井という姓もその名残でしょうね」
    レイ:「ああ、鳥居……」
    周防:「ウィザードとファミリアの関係にはまだまだ謎が多い」
    アラン:「家のつながり……それなりに聞く話ではありますがー」
    周防:「そして当の妖狐ですが、屠ったファミリアの姿と能力を一部コピーできる能力を有しているようです」
    アラン:「屠った……ふーむ」
    悠斗:「じゃあ、あの狼と虎は…………」
    周防:「ええ、アランさんの相棒の方と、中嶋君のファミリアをコピーしていたのでしょう」
    レイ:「他のファミリアを無力化すればするほど、妖狐は本領を発揮するということですか。……なんとも形容しがたい、卑劣な能力ですね」
    周防:「放置していたら恐るべき脅威になりえたかもしれませんね……」
    アラン:「ん、そっすね。むしろ私らがやられてたら……ってのが恐かったわけですな」
    レイ:「うわ、考えたくもない」
    レイ:「ところで周防さん……彼のSikiは、再起動できたんですか?」
    周防:「ええ、それについてなんですが……残念ながら、彼のSikiは全損してしまっています」
    アラン:「あらら、ってことは全部ロストかぁ」
    周防:「そうですね。彼はまだ昏睡状態ですが、次に目が覚めるときはSikiに関わるすべてのことを忘れてしまっているでしょう」
    悠斗:「そんな、じゃあ自分のしたことも全部……?」
    周防:「そうなります」
    アラン:「ううん、じゃあ得られる情報は打ち止めっすかあ」
    周防:「もちろん証拠が十分すぎるので立件は可能でしょうが、正規の手順では精神鑑定により減刑してしまうことにもなるでしょう」
    レイ:「罪の自覚なくして裁かれる、か……残念ですが、現状ではこれが最善の処遇としか言えませんね」
    アラン:「Siki犯罪なら“いつものこと”でしょー? 再インストールしないよう監視もありで」
    周防:「ええ、それはもちろん」
    周防:「一方で中嶋君のSikiデータはサルベージすることができました」
    悠斗:「!」
    周防:「ログからの推測にはなりますが、彼は鳥井の本性に気づき、被害を拡大させないために単身戦いを挑んだようです」
    周防:「鳥井が負っていた軽傷は、中嶋君のファミリア、白虎によるものだったのでしょう」
    アラン:「確か中嶋君が悠斗君のデバイスにSikiを入れたのって」
    周防:「ええ。風見君、中嶋君が君にSikiを渡したのも自分にもしものことがあれば……ということだったのかもしれない」
    悠斗:「……馬鹿だな、なんで……俺にこれを渡すくらいなら一緒に戦わせてくれれば、二人ならお前を失わなくて済んだかもしれないのに」と自分のSikiをみつめます。
    レイ:「勇猛さを表す白虎を使役していただけある。中嶋くんの嗅覚と勇敢さの方が、よほど優れていたようだね。今となっては、それが口惜しいが」
     こうして事件は3人のウィザードによって解決された。事件のために集まった彼らは互いに別れを告げた。Sikiとファミリアがある限り、またどこかでであることもあるのだろう。

    GM:さて、ここでシナリオは終わりを迎えました。皆さん長らくありがとうございました!
    悠斗:いやー、楽しかった。
    GM:そして最後に、各PCの個別エンディングを入れて締めましょうか。
    レイ:おお個別エンディング……!
    GM:個別エンディングは、この事件を経てこれからPCがどのような未来を歩んでいくかの方向性を提示するものなので、自由にPLが演出してくださって結構です。アランさんからですが、どんな演出がしたいですか?
    アラン:え、じゃあ懺悔室in某所、礼拝堂の謎の声さんと話しますかね
    アラン:仕事の報告とかで。
    GM:わかりました。それでは……。

    GM:某所、礼拝堂。その片隅にある懺悔室へとアランは入っていった。
    謎の声:「それで、今回の件について報告してもらおうか:
    GM:壁に空いたいくつかの穴の向こうからは、いつも通り“仕事”の報告が求められる。
    アラン:「優秀な子の協力により、無事犯人逮捕と相成りましたー」
    アラン:「得られた情報はゼロシックスから毟りとってきたんで、ご確認をー」
    謎の声:「そうか、よくやった。身内の失態はこちらでかたづけねばな」
    アラン:「……そっすねー」
    謎の声:「では次の仕事が任ぜられるまで自由にして構わない」
    謎の声:「せっかく用意した教職でもしているがいいだろう」
    ピクシー:「ふぇっ(・ワ・)」
    アラン:「あれ、解任にはならんのです? カッコよくあの子と別れた手前、ちと気まずいんですが」
    謎の声:「ふっ、知らんな」
    アラン:「そんなー相棒も言ってましたよ、『我々まともに働いちゃアカン』って!!」
    ピクシー:「そうだー!(・ワ・)」
    GM:……とまあこんな感じですかね?
    アラン:ありがとーございましたー。
    GM:では次、レイさんどうします?
    レイ:うーん、学校で風見くんに挨拶して帰りましょうか。
    悠斗:お、僕ですか。
    レイ:お願いします。
    悠斗:はーい。

    レイ:「こんにちは、風見くん」と、ふらっと廊下で声をかけます。
    悠斗:「あ、こんにちは……と、あれ。もう、ここでのお仕事は終わったのでは?」
    レイ:「驚かせて悪いね。急な話なんだが、実は今日でこの学校を辞めることになったんだ。君には挨拶しておこうと思って」
    レイ:「忘れているかもしれないけど、一応ここの教師って建前だったから」
    悠斗:「あぁ、そういえばそうでしたね。いや、忘れてはいませんよ。やたらかっこいい先生って噂になってましたし」
    レイ:「かっこいい? それはちょっと心外なんだけど……」と、少し不服そうな顔をします。
    悠斗:「そうなんですか……? 褒め言葉だと思うんですけど」
    レイ:「そういうことは、イカしたボーイフレンドに言うんじゃないか? まあ、君がそう言うなら、褒め言葉として受け取っておこう」
    レイ:「それはともかくとして、ゼロシックスへの出向期間も、今日で満了したんだ。夜には日本を発つつもりだよ。後任の先生にも挨拶は済ませてある。……短い間だったが、ありがとう」と握手を求めます。
    悠斗:「イカしたボーイフレンドって……。そうなんですか。いえ、こちらこそありがとうございました。とても……いろいろお世話になりました」
    悠斗:そういって手を握ります。
    レイ:「そうだ……一つだけ、いいかい?」
    悠斗:「なんですか?」
    レイ:「鳥井くんの処遇については、不満も残ったことだろう。とはいえ、彼は法の下に裁かれることになった。……事件解決に関する君の貢献は多大なものだよ」
    レイ:「でも、お節介だとは分かっているが、言わせてくれ。……君は決して復讐を果たしたのではない。君は君の本分を果たしたに過ぎないのだということを、ゆめゆめ取り違えてはいけないよ」
    レイ:「まあ、なんだ。教師として、年長者として、言わせて欲しかっただけだから……君はきっと分かっているとは思うし、あまり気にしなくていい。ただの自己満足と、聞き流してくれて構わないよ」
    悠斗:「……! そう、ですね。俺はあいつがどうなるとしても、あいつのしたことを許すことはできません。でもきっと復讐は……淳史は望まないことだったでしょうね」
    悠斗:「なんだか少しすっきりした気がします。ありがとうございます、先生」
    レイ:「僕の自己満足が役立ったのなら、大いに結構だ。幸い、君の人生はまだまだ長い。消化する時間はいくらでもあるさ。……でも、『先生』と呼ばれるのは、少しこそばゆいな」
    レイ:「……うん、これでもう思い残すことはない。僕はそろそろ行くよ。元気で、風見くん」
    悠斗:「はい。レイさんも、お元気で」
    レイ:それじゃ、と言ってばつが悪そうに帰ります。
    レイ:このあたりで!
    GM:いいですね。良い教師でした。
    アラン:GTR(グレート・ティーチャー・レイ)だ……。
    GM:では悠斗くん、いきましょう。どんな感じにしますか?
    悠斗:せっかくレイさんがいい事を言ってくれたので普通に日常に帰りたいですかね……。
    悠斗:いつもどおりの日常で、あの件がどういう扱いにされてるとかあれば知りたいような。
    GM:ほう
    GM:あの事件はおそらく通り魔のせいとかになるでしょうね。でももう捕まったから大丈夫、みたいに。
    GM:しばらくは騒然としますが、すぐに落ち着いてみな事件のことなど忘れていきます。
    悠斗:うーむ、じゃあ最初に七不思議の話してきた人とかに全然普通の日常の話題振られてちょっとだけ感傷に浸りたいです((
    GM:はーい
    GM:じゃあなんか黄昏ていてください。
    アラン:「なんか黄昏ていてください」とは

    GM:……あれからしばらくして、才羽学園にも平穏が戻りつつあった。事件のことなどみなすぐに忘れて、もとの学生生活を満喫している。
    悠斗:(あんなことがあって、まだ少ししか経ってないのに、まるで何もなかったみたいだ……そりゃあ普通の人には何も見えなかった、のだろうけど)
    がやがやと騒がしい教室。
    悠斗:頬杖ついて窓の外見てます。プロローグで淳史を見かけた方向を。
    噂好きの生徒:「……と、……うと!」
    噂好きの生徒:「おい、悠斗、聞いてんのかよ?」
    悠斗:「……え?」振り返ります。
    噂好きの生徒:「どうしたんだよ、最近お前心ここにあらずって感じだぞ?」
    悠斗:「そ、そう? そんなことはないけど」
    噂好きの生徒:「まさか、あれか? 例の才羽学園新七不思議か?」
    悠斗:「ま、また更新されたのか……」
    噂好きの生徒:「お前も『無気力症』にかかっちったのか?」
    悠斗:「? なんだそれ?」
    噂好きの生徒:「最近、学校で原因不明の夢遊病みたいなのが流行ってるらしい」
    噂好きの生徒:「それが『無気力症』って呼ばれてて七不思議にランクインしたんだぜ」
    悠斗:(またSiki関係……じゃないよね?)
    噂好きの生徒:「なんだよ、また話聞いてねえし……」
    噂好きの生徒:「おーい、聞いてますかー、悠斗さーん?」
    噂好きの生徒:「もっしもーし」
    悠斗:(また学園でああいうことがおこったらどうなるんだろう。もしそうなったら俺は俺の本分を果たせるだろうか……そういえば、レイさん、あの時握手したけれど……)
    悠斗:(女性の手、だった気がする……)
    噂好きの生徒:「だめだこりゃ」

    悠斗:とまあここで終えておきますか。
    GM:いいんじゃないですか。
    悠斗:ごめんね、噂好きの人……!
    アラン:思春期の男子みたいになって終わりましたねー。
    悠斗:レイさんがカッコいい女性だっていう設定、上手く気づいて回収しそびれてしまったので笑
    レイ:実際に思春期の男子なんだからいいんじゃないですか笑
    GM:オッケーです笑
    GM:じゃあこんなところで!
    悠斗:はーい!

    GM:これにてセッション終了です、お疲れさまでした!
    全員:ありがとうございました!

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